とある毒舌家の話
ラビと毒舌家
「何でお前、食堂にいるんさ」
「ここは所謂公共の場です。オレがここに居てもなんら問題はないはずですが」
「俺が不快になるからでてけ」
「後から着た人に何故そんな理由を言われて、出ていかないといけないんですか?あんたが出ていけばいいじゃないですか。あんたの都合だけで出ていかないといけない、なんてことはないはずです」
すらすらと無表情で毒を吐くのは毒舌家で有名な嫌われ者の六助。そんな六助に刺々しく当たるのはラビ。明らかに嫌悪感を含むラビの言葉に、六助は対して気にした様子はない。
「お前、本当うっとうしいな」
「だから何なんですか?」
ラビの言葉にさらりと言葉を返す。一切ラビの方を見ず、六助は焼き魚をつついていた。
「・・・お前なんか早く死んでしまえばいいんさ!!」
そんな六助の態度にいらついたラビが怒鳴り、食べる気が失せたのか食堂を後にする。静かになる食堂。焼き魚を飲み込んだ六助はぽつりと、本当に小さな声で呟いた。
「死ねるのなら、もう死んでますよ」
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