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「ふぅ・・・んっ」
軽く舌を吸われ離れる唇
「んな顔してると襲われるぞ」
誰のせいだ誰の
春は扉を開けそのまま廊下に出る
こんな様子じゃ隠すなんてしないだろうし
むしろ見せつけそうだ
もういい、どうにでもなれ
そして指を絡めるようにして手を握り返した
案の定すれ違う生徒達は俺達を見て驚き固まっている
普段の悲鳴に近いような声も今日は上がらない
静かすぎて逆に怖いくらいだ
まあ、無理もねえな
犬猿の仲とか言われてた俺達が一緒に登校している
まして手まで繋いでるんだからな
そんな光景が面白くて自然と口角が上がった
あ、やべ
そう思い元に戻したが
先程の俺の顔を見た数人の生徒がどこかへ走っていった
隣から春の視線が突き刺さる
こんくらいで怒ってんじゃねえよ
悪い気はしねえけどな
俺達は喋る事もなく
けれどなんとも言えない甘い雰囲気を醸し
大量の視線の中手を繋いだまま教室へ向かった
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