二人の時間
気まずい
何がってこの空気がだよ
あれから二人とも無言で春の部屋に来た訳だが
・・・会話がない
春が何に対して怒っているのか分からなくて
もしかしたら嫌われたのかとか嫌な方に考えてしまう
「湊」
いきなり名前を呼ばれて俺の肩はビクリと跳ねた
「んな顔すんなよ、悪かった」
なんで春が謝るのだろう
訳が分からなくて春を見る
「泣きそうな顔してんじゃねえよ」
恥ずかしい
俺はんな顔した覚えないのに
「なんで、機嫌悪かったんだよ」
俺が聞くと春が気まずそうに口を開いた
「湊が、あっさりあいつらと和解したから・・
おまけにあんな嬉しそうな顔で笑うから・・その、嫉妬、・・・したんだよ・・」
最後の方は声が小さくなっていたが俺にははっきり聞こえた
”嫉妬”この二文字に俺はなんともいえない嬉しさを覚えた
俺から顔を背けた春の耳はほんのに赤い
・・・かわいい
俺は春の頬に手を当て唇を重ねた
春は驚いたが俺のキスに答え口を開く
舌がお互いの口内を行き来しぴちゃぴちゃと水音が響いた
「んぅ・・っふ」
俺から仕掛けたはずなのにいつの間にか春のペースになっていて息が苦しい
胸をたたけば二人の間に銀糸を引いて唇が離れた
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