[携帯モード] [URL送信]
和解





生徒会室へつくといきなり副会長、会計、書記、庶務の全員が頭を下げて来た

「おい、」

「会長、今まですみませんでした。私達は取り返しのつかない事をしてしまいました」

「かいちょー、ごめんなさい・・・」

「かいちょ、ごめ、ん」

「「会長ごめんなさい!」」

役員達の謝罪に胸の鉛が溶けた気がした
やっと、やっとだ
ふいに目頭が熱くなった
くそ、泣く訳にいかねえ
すると大きな手が後ろから俺の目を優しく包んだ

「てめえら謝って済むと思ってんのか?
こいつがどれだけ苦労したと思ってんだ」

「それは、分かっています。
もし会長が許して下さるのなら、役員を続けさせて下さい!」

「俺達も、がんばるからぁ!おねがい!」

「だってよ、どうする?会長様」

春の声に俺は目を覆っていた手をどかすと
ニヤリと笑みを浮かべた

「じゃあ、その誠意とやら見せてもらおうじゃねえか」

俺が言うと役員達は顔を真っ赤にした
おいおい今のどこに赤面する場面があったんだ

「おい、湊その顔やめろ」

「あ?なにがだよ」

失礼な奴だな
普段通りだぞ

「今日は帰らしてもらうぜ、湊もな」

「はい」

もう少し一緒に居たい気持ちもあったが今日はやめとこう
あいつらもその方がいいだろうし

「会長、ありがとうございました」

生徒会室を出る時に背後から聞こえた声に
短く「おう」とだけ返して生徒会室をあとにした

なにより今はなぜか不機嫌の春の機嫌とりが優先だしな
俺は自然と緩む頬に心地よさを感じた






[*←][→#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!