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牽制という名の





突然の行動に呆れつつ嬉しさを感じる俺は自然と頬が緩むのを押さえるのに必死だ
けど一応文句は言っておかなければ

「おい春っ 何もこんな所で言わなくても良いだろ」

階段を上りきったところで春が振り返りニヤッと笑った

「そんな顔して言われても説得力ねえよ。素直に嬉しいって言えよったらどうだ?」

クソッ
何もかもお見通しってか?
俺は恥ずかしさで顔に熱が集まるのを感じた
未だに俺達を凝視している生徒達に見られたくなくてさっさと奥の席へ向かう

「湊」

しかし春が俺を呼んだ事でその足は自然と止まる
振り向かないのは俺の意地だ

背を向けたまま小さく呟く

「なんだっ・・んっ!」

言い終わる前に勢い良く腕を引かれ反射的に振り向くと
そこには春の顔がドアップで迫って来ていて
頭で理解するより早く唇に柔らかいものが当たった

「ちょっ・・・はっんんっ・・るっ!」

やっと状況を理解した俺は春の胸を押し返すがびくともしない
そりゃあ毎日様々な現場で体を張ってる風紀だから力の差はあるかもしれねえが
こうも動かないとなると男として悔しい

必死に抵抗するも虚しく
酸素を求めて開いた口内にぬるっと舌が入ってきた
しんと静まり返る食堂に卑猥な音だけが響く


俺、こんなとこでなにしてんだ・・・・





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あきゅろす。
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