タイバニ
My unnecessary interference
虎徹さんが風邪をひいてしまったらしい。
それでもあの人はこれくらい平気だから!と笑って仕事しようとする。いやいやおじさんなんだから体は大事にしてもらわないと、僕だって困る。全く、僕にはお節介焼くクセにどうして自分は後回しにするんだ。まあそこも愛して止まない所なのだけど。
少しだるそうにデスクに体を突っ伏しながらパソコン操作を行っている虎徹さんに声をかけた。
「あの、帰ったらどうですか?」
「なんで?」
「なんでって、貴方、風邪っぽいのでしょう?」
咳も出ているようですし、と付け足すとへにゃっとした笑顔を浮かべてありがとなと言われた。
今、きゅんってなった。うわ、どうしよう。可愛い。口元が緩みそうなのを抑えて、僕は椅子から立ち上がって彼の近くに寄った。よし、2人っきりだな。
それを確認して、そっと虎徹さんのおでこに手を添え、温度を測る。それでもよくわからなかったので、こつんとおでこ同士をぶつけた。その何気なくてさりげない僕の行動に呆気を取られたのかこの人は一気に頬を赤くした。
「ちょ、バニーちゃ…!」
「熱がありますね」
「だっ!ちけぇよっ!!誰かに見られでもしたら……」
「どうしてゆっくり休もうとしないんですか?」
虎徹さんの台詞を無視しそう問うと、彼は視線をあちらこちらに泳がせて、これ以上ないってくらいに真っ赤な顔でだってよ、バニーに会えなくなんの嫌だから…(最後の方は殆ど聞こえなかった)と呟くように言ったのだ。ああもうなんて可愛いんだろう。大好きだ。結婚したい。襲いたいです。もっと貴方が欲しいです。ぐるぐる沸き上がるこの言葉をこの人のぶつけたらもっと熱が上がるだろうか。
そんな風に思いながらちゅ、と目の前のかさついた唇に重ねた。あ、そうだ。僕はある考えが浮かんだ。
「じゃあ、僕も早退します。それならいいですか?」
「いい訳ねえだろ!何考えて…」
「ごほ、あ、僕も急に風邪ひきました」
呆れた表情を出した虎徹さんの肩と膝裏の方に手を忍ばせ、いわゆるお姫様抱っこをして仕事場を出た。おいマジか!と僕の顔を覗き込みながら叫んだ。いつだってマジですよとにっこり笑って返す。
お願いですから
今日ぐらい休んで下さいよ、虎徹さん。
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最近本当彼らに会いたくて堪りません。
いちゃこらするねえ
(20121212*葵)