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novel
2

 手首をベットサイドで仰向けに固定され、着ていたパジャマは上だけを残しているのみ。

「やめろっ・・さわるなっ。」

 抵抗するバーナビーを無視してマーベリックは柔らかな太ももを左手で持ち上げ、生えかけの柔らかいブロンドの陰毛を舐めるように眺める。片方の手は一枚刃の剃刀が握られ、そのギラリと光る刃物の光がバーナビーを脅かす。

「君は生えてない方が可愛い。」

 ニタリと笑うとマーベリックは、あらかじめ用意して置いたシェービングクリームをたっぷり陰部に塗りたくった。
 冷たさと刃物に体を震わせ動けずにいると、ジョリジョリと陰毛が剃られていることがわかった。
 丁寧に上の広い方から、そして更に股関節が軋むまで足を広げられた。あらわとなった幼いペニスや睾丸は恐怖のあまり縮こまっており、剃りづらく、一旦剃刀を置きマーベリックは、クリームごと陰茎をしごきだした。

「きもちわるい…ひっく…・・もうやめろぉ。」

 最初はふにゃふにゃで柔らかかったものの、あまり自分でシタことのないバーナビーにはその刺激は背徳的な悦楽をもたらす。
 クチャクチャと音が羞恥心を煽る。自分より大きな手でペニスと一緒に睾丸を下から上へ一緒に揉まれると体の奥が切なくなり、そう思う自分にも傷つき、バーバビーを追い詰める。
 十分に勃ちはじめる頃今度こそペニスに剃刀をあてられた。

「ひっ。」

 先ほどより敏感になったせいで余計に剃刀の動きがバーナビーに伝わった。前から、そして自分では見えない陰茎の裏に硬いものが何度か行き来すると、ゆるく勃起したペニスの先からしずくが垂れてきクリームとまざる。

「いけない子だね。お毛けを剃られているだけで感じてしまったのかい?」
「そんなこと、ふぅ…ん、んぁ。」

 いやいやと頭を軽く振ると涙がこぼれた。

「ほら綺麗になったよ。」

 満足げにタオルでクリームを拭き取られ、ちらりと視界の淵に、滑稽な自分の下半身が見えた。

「あ、あ、あ、あ。」

 つるりとした白い肌は少し剃刀でまけたのかピンクに染まっていた。マーベリックがその上をなぞるとチリチリと肌が痛む。恥ずかしさと怒りで頭がどうにかなりそうだ。
 感情が高ぶり、また涙が溢れてくるとマーベリックは鼻でそれを笑う。目の淵に涙を浮かべそれをにらみつけた。

「くっ…なんで、こんなことをするのですか。ぼくは信じていたのにっ」
「それは君が悪い子だからだよ。」

 ―言いがかりにもほどがある!苛立ちがさきほどまで怯えるしかなかった体にエネルギーを与え、バーナビーの瞳が青く輝く。
 が、どんなに力を込めても自分を戒めるものが外れず、ただ手首と関節が軋むだけ。

「もっと周りをよく観察しなさい。バーナビー。いつも私がよくいっているだろう。」

 ネクスト専用の拘束具が自由を奪い、それでも抵抗をやめないバーナビーを一人寝室に残しマーベリックは部屋を出た。
 バーナビーがいる寝室から口汚い叫びが聞こえてくるが、それが甘美な音に聞こえてくる自分の感性に笑った。五分間はバーバビーをどうにもすることができない。手は固定してあるものの蹴られなどしたら自分は死んでしまう。
 バーナビーを殺してしまうのは惜しい。実の両親を殺した自分を父のように慕うバーナビーをだんだん愛おしく思い愛情をもって育てるも、たびたび記憶を取り戻して自分を彼の両親のように自分を責める姿に、可愛さあまって酷い裏切りを感じる。

「そう、愛しているんだ。ジュニアを。」

 だから辛い記憶を消してあげたい。自身の愛で彼を癒したい。そして彼を愛すことが、自分の心にどれだけの平穏を与えることだろうか。
 なくならないネクストへの差別、うまくいかないヒーローTVの事業に、必死に努力した自分を心無く追い詰めたバーバビーの家族、毎度のウロボロスとのやり取りでズタズタになる神経。だが、バーバビーの痴態は全てを癒す。
 

「ハァっハァっハァっ。」

 五分以上たち寝室に戻ると、力なくベッドに横たわる少年の肢体。

「もういいかい。待ちくたびれたよ。」

 目の前に自分の両親を殺した憎い男がいる。なのに、何もできない自分が悔しくて、泣きたくもないのに視界が涙で歪む。
 マーベリックがベッドに座り、擦り切れ傷ついた手首を撫でた。

「君は幼いながらに十分努力しているのだから、もうこの件について忘れなさい。」
「いいかげんにして下さい。あなただけはゆるさない!」
「もうすぐヒーローアカデミーに入学する歳になるね。寮生活になるのだからいいかげん一人寝を覚えなきゃ。」

 人の話を無視し優しく自分に語りかけ続けるマーベリックに不気味さを覚えた。じっと顔をうかがうといつもマーベリックが使う黒の万年筆が彼の手に握られていた。

「ああ、これはね、悪い子を良い子にする薬が入っているのだよ。」

 爬虫類の様なニタリと笑う姿に、見たことのない映像がまたフラッシュバックする。




(―くぅはぁあん、くすぐったぃ…ん、あしなめちゃあだめぇ

誰かが動けない自分の足元で蠢いている。
温かい舌が自分の親指と人差し指を舐めまし、怪しい刺激が体の奥を疼かせる。

―あっあっあんぁあ。もっとぉ、きもちよく…シテぇ

媚びるような自分の声。
誰かが自分のもの優しくしごいている。
何をやってるんだ?
なんだこれ?
キモチワルイ…?
視界のなかにうつる自分の手足はどうみても幼く、そう両親を亡くした時ぐらいの姿に思える。

―あああぁ…まぁべりっくぅおじちゃぁんっ、見て、なにかデるようになったのっ

マーベリックの目の前で裸になった今の自分が自慰をしてる。
うすく開いた唇から唾液が垂れ…

―クチュ。)




「あ゛あ゛あ゛あ゛あ!」

 幼い自分が快楽に落ちる姿をニタリと笑う男が何度も、何度も。

「悪い子には何度も躾をしなくてはね。」

 そういうとマーベリックはペン先を緩め、嫌がるバーナビーの口元に薬を流しこんだ。とろりと流れ込む薬が、舌に苦味と少しの痺れを与える。

 ―だれかたすけて

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あきゅろす。
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