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GANTZ長編小説
興味
ガンツの部屋で坊主やら外人やら、とにかく新顔に囲まれながら、西は前のミッションを思い出していた。
前回のミッションでは田中星人を一体しか倒せず、しかも致命傷を負い、偽善者に助けられる始末だった。もう、あんな屈辱はごめんだった。
坊主が自己紹介をしだしたのを、ぼんやりと見ながら西はずっと気になる人物を思い描いた。アイツは一体何なんだろう。


アイツー…玄野計。


西は視力を奪われていた為、その場を観たわけではないが、前回のミッションでスーツを着用せずにボスを倒して38点を叩き出した男。
今までも、確かに戦闘に長けた奴等はいた。100点を取って、解放された人間を見た事もある。だけど、玄野計はそんな人間達にも当てはまらない何かを持っているようでならない。
初めて見た時、確かに感じた仲間意識。何も信じてないような、無価値で無意味なものばかり見てきたような眼をして、それなのに偽善者と同じ空気も身に付けているから不思議だ。


ただ、面白い。


見ていて飽きない存在だと思う。そう、今まで戦闘に長けただけの奴等と違うのは、玄野の何をしでかすかわからない所だった。西はネギ星人の時から何度も浸っていた思考を断ち切り、意識を現実に戻した。

玄野が部屋に転送されてきたからだ。

玄野はネギ星人を殴り倒していた時と似た、真っ暗な眼をしていた。
西は思わず、薄笑いを浮かべた。


良い眼をしてきた。


風が目の前を疾走するように西の意識は玄野に吸い込まれる。他人に対して、こんなに興味を持つのは生まれて初めてだった。
西はこの時、玄野に対して言い様のない感情が湧いた。科学の実験のように、自分が何かの刺激を与えて玄野の反応を見たいような。何かをしでかしてやりたい。それが何かはわからない。

それでも、この時点では西は本当に、玄野にあんな事をする気はなかったのだ。自分でも思いもよらなかった。




自分が玄野を犯してしまうなんて、思いもよらなかったのだ。

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