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GANTZ小説
そんなの哀しちゃうよ(西玄)
「何してんの」

「料理」

「…とりあえず包丁とまな板の場所はわかったんだな」

「馬鹿にすんなよ!オレんちの台所だぞ!!」

「ほぼオレの庭だ」


玄野は普段、料理なんてしない。近くにコンビニがあるのに自ら作る意味って何?みたいなレベルなのだ。そんな玄野が突然台所に立ちだしたから、西はステルスモードが壊れた時くらいには動揺した。表に出さなかっただけで。

「別にそんな食材を無駄にするような事しなくてもいいだろ」

「何で既に失敗するって決めつけてんだよ!!」

「手が震えてんじゃねーかよ、だせぇ」

「武者震いだっつの!!」

(料理で武者震いって何)

そう口にすることは簡単だが、西は口をつぐんでしまう。

(エプロン姿初めてみた)

玄野が料理をしないから勝手に来た西が料理をするようになって久しい。
その時使うエプロンを今日は玄野が使っているせいで西はなかなか強く止められなくなってしまうのだ。
つまり、エプロン姿の玄野にときめいていた。

(ぜってー口には出さねーけど)

そんな事を思っている間にオムライスを作るために玄野は玉ねぎを取り出した。

「うぅっ…目痛い…」

(はやっ!!まだ切ってもないのに)

本格的に心配になってきたところで譲歩した。

「ちっ…しゃーねぇ、じゃぁガンツスーツ着てやれよ」

「オレの料理の過程の危険度はミッションレベル!?もういいって!西はあっちでテレビ見てて!」
「…オレが作ってやるって」

「いいって言ってんだろ!!ハウス!!ハウス!!」

「殺すぞバカ」

結局、西にXガンで脅され、玄野はいきなり料理をしようとした理由をぽつりぽつりと話しだした。

「オレさぁ、体重あんまり安定してなかったんだよ」

「うん」

「それがさぁ、最近はすげぇ安定してるから何でだろ?って考えたんだけど」

「うん」

「西がご飯作りに来てくれるからだとわかったわけ」

「…うん(ご飯を作りに来てるんじゃなくてアンタに会いに来てんだろーが、家政婦だと思ってんじゃないだろなバカ)」

「それでさぁ、西のおかげだから、たまには西にオレが作ったやつ食べてもらおうと思ったんだ…」

「うん…はっ!?」

「ん?」

西は自分の顔が赤くなっていないことを願った。

(そんなかわいーこと言われたら止められないだろが)

結局いつだって彼はずるい。自分の想いが伝わってなくたって家政婦扱いされたって(めちゃくちゃ遺憾だが)、西にお礼がしたくてという普段なら玄野以外が言ったら虫酸が走るような言葉で、全てを許してしまうくらいには



玄野計が好きだった。





「うわぁぁぁああ!!!油がはねっ…うおおおおお!!!」

(やっぱ激しく不安だ…)

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