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dream
DANCE PARTNER/後藤ドリ


「一ヶ月後のコンテストに出場する人は、次のこと守ってねー」



クラスの担当講師が手にしてるのは、今度開催されるダンスコンテストの募集・応募要項が記載されたポスター。


優勝すればプロへの道が開けるのは確実。

出場しない生徒なんていない。


「因みに今回のは2〜4人で組んでねー。ソロ出場は不可だよー」



… …意地悪なッ!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「あの、後藤さん…」

「は…?」

「う、うぅん!何でもないっ!!」


…まただ

ごとーは何だか知らないけど、皆が近寄り難い雰囲気を出しているらしい。
そんなの自分じゃサッパリなんだけどなぁ。

っていうか今のコ、何しに来たんだろう?


「…ん……ごっちん!」

「んおぉ?!っと、葵」



いつの間にやら友人の葵が目の前にいた。
今日もカッコイイね。

…声にはしないけど。
しないというか出来ないね、恥かしくて。




「こんな、とこで何やってんの?」
「こんなとこって…………あれ?」




何でごとーは屋上にいるの?


「知らないよ。ごちんフラフラしてホール出てったのは見たけど」

「んあ…記憶にない」

「飯田先生じゃないんだから…」


葵は苦笑いしながらごとーの髪をなでた。

優しくて、そこらの男子よりもカッコイイ葵。

誰とでも仲良くなれるから皆から大人気で未確認だけど校内にはファンクラブ作ってるコ達もいるらしい。

そんなライバル多数な葵がごとーは好きだった。

そういえば、葵はあのコンテストのグループ、どうしたんだろう?


「あんさ」
「んー?」
「葵は…もうグループ組んだ?」

沈み始めた太陽のオレンジ色が、葵とごとーを照らしてる。

街を眺めていた葵がごとーに振り向く。

「んにゃ。色々誘われてるけどまだだよ」

「そ、そっか」

「……」


良かった、まだだった。
葵はカッコイイから人気というのもあるけど、ダンスの技術が高いのも魅力のひとつ

ごとーも勿論、葵と組んでコンテストに出たいと思ってる

けど、どう誘ったらいいんだろう…?

相手が葵っていうのもあるからか、何か誘うの恥かしい。


「…ごっちん」

「んあ?」

「俺と組まない?」

「……ごとーと?」

「そ、俺とごっちん」


葵は口の端を少し上げて、自分とごとーを指差した。

何だこのさらっと感。
誘うのって、そんな簡単でいいんだ。


「…いいよー。ごとーもさ、葵とだったら組んでもいいかなって思ってたから」

「ははっ、そりゃ光栄だ。クラス一の実力持ってるごっちんにそう言ってもらえるなんてねぇ」

「んあ。有り難く思え!」

「何だそりゃ」


笑い合って、夕日に背を向ける。
一先ず、コンテストの問題はクリアした感じ。


そんなこと考えてたら扉に手を掛けた葵が不意に振り向いた。



「そうそう、一つ言い忘れてた。」



「ん?何?」

「俺、ごっちんが好きだから。一生背中預けれんのは後藤真希ただ一人だから」

「コンテスト終わっても、ごっちんは俺のパートナーだかんなー」


ひらひらと肩越しに手を振って、葵は先に中へ入った。

ごとーは後輩のクセみたいに口を開いて呆然としていた。

葵に………告白された?


んぁ… …。

取り敢えず

夕日に叫んでおこう。

「ーーごとーも好きだから…」




(´Д`)>んぁーーーーーッ!!


Σ(葵)<(夕日に向かって何を叫んでんだ!!)








END.

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あきゅろす。
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