菫と白雪 日本の歴史2 現在の『組』は反国家勢力というよりは、古い時代の言葉に置き換えると、豪族や大名、藩主、といった領地の支配者に当たるだろう。 『組』の目的も打倒国家からいつの間にか、かつての戦国武将のように天下統一に変わってしまった。 ただ、かつての戦国時代のように大きな戦は頻繁に起きる訳ではなく、どちらかといえば水面下での攻防が続いているような状態だ。 現在、日本には小さいものを合わせると337の『組』が存在していると言われている。 政府は『組』を領地・資金・規模・武力等により冠位十二階をなぞらえ、12の位に分けた。 それを『組の十二位制度』と呼ぶ。 現在第一位の組は4家だけとされ、龍崎家もその1つに含まれる。 また、『組』により支配されていない地区を無法地帯と呼び、ほとんどの場合若者たちが『チーム』を作って地区の支配をめぐり争っている。 その地区を支配した『チーム』は、大抵どこかの『組』と交渉して『組』の支配下になることを望む。 それは『組』の支配下にある方が安全かつ多大な恩恵を受けることができるといわれているからだ。 例えば葉桜区は言わずもがな龍崎家が支配していることになるのだが、抗争に荒れた地は龍崎家からの援助により復興し、食糧や武器費等に困ることはなくなった。 また『龍崎家』という箔がついたため、他区が葉桜区に喧嘩を売られることも断然減っただろう。 このように『組』の支配下となることは『チーム』にとって利になることが多いのだ。 『組』にとっても、人員を裂くことも、大した労力もかけずに地区を支配下にできるのだから、このやり方は利にかなっていた。 最近ではこうした傾向があるため、『組』自らが無法地帯を支配しようとしたり領地を奪いにいくことはほとんどなくなり、表面的には均衡状態が続いているというわけだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |