テイルズオブlong 流れて流れて ユーリが叫んだ後で、船員から告げられたのは、まさに希望だった。 「ここの周りは島がたくさんあるから比較的浅い海だろう。だからあいつらは何処かに流れついてるはずだよ。ま、少なくともあの金髪のにーちゃんは、島の方に流れてったのを見たからよ。」 ユーリは思わずへたりこんでしまった。 フレンが生きている。 嬉しかった。 フレンは、ユーリにとって幼馴染みで良い親友だ。 …いや、『だった』。 幼馴染みであることは揺るがない事実だが、今となっては、フレンは良い親友などではなくなっていた。 海賊を始めたその時から、ユーリとフレンはギスギスとしていた。 ユーリが昔よりも皮肉ばかりで、がさつになった事。 フレンが昔よりも怒りやすく、神経質な性格になった事。 だから、言い争いは絶えない。 それでも何とか関係を保っているのは、やはり互いに信頼しあっているからだ。 正反対だからこそ、憧れる部分もある。 つまり、大切な存在だから生きていてくれて嬉しかった。 ユーリは、すぐにフレンを捜すことにした。 しかし、何処を捜してもフレンは見当たらない。 ユーリ「…くそっ、何処にいるんだ、フレン…」 ユーリはギュッと拳を握りしめ、顔をしかめた。 ―…その頃何処かの島で、何発もの銃声が響いていたことをユーリは知らない。 [*前へ] |