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テイルズオブlong
激しく立つ波は
嵐が迫ってくる。

慌てる船員達を眺めながらユーリは、笑った。

いつぶりだろうか、と。

最近は嵐に遭遇していなかったので、懐かしい気持ちで一杯だった。

しかし、恐ろしい可能性に気付いてしまった。

…フレンの船は、しっかり逃げられるのか?

今、フレンの船には先程の戦いで怪我人や死人、知識のない者ばかりで、フレン以外は舵をとれない。

つまりは、フレンに命運がかかっているのだ。

フレンは、本番には強いし頭もきれる、それに人脈もある。

…しかし、運だけは悪い。
運だけでなく料理も落差が激しいが、レシピ通りならかなり美味しいので救いがある。

しかし、運は揺るぎなく悪い。

その証拠に、今フレンの船は岩に引っ掛かり、今にも壊れそうだ。

にも関わらず、フレンはごり押しで進もうとする。

このままでは嵐で沈没か、大穴が開いて沈没かのどちらかだ。

助けようにも、ユーリの船は既に進みはじめており、戻れば船員を危険にさらすことになる。

どうしようもないこの状況に、ユーリは笑みを消し、頭をかきむしった。

その時、無事フレンの船がようやく進んだ。

まだ、嵐を遠ざけていないため、喜べないが、ほっとした。

あとはフレン次第か、とフレンの船から目を離した。
瞬間。

ギギギギ…バァァアン!!!

フレンの船が軋み、真っ二つに割れた。

その衝撃で、大半の船員が海へ沈んだ。

フレンはしっかりと船に掴まっていた。

それを見て、沈んだ船員には悪いと思ったが、安心した。

しかし。

フレンは片手で掴まったかと思えば、今にも落ちかかっている船員の手を取り、そして。

船員とともに海へ滑り落ちててしまった。

それを見て、ユーリは唖然とした。

そして、

ユーリ「フレェェエン!!!」

と叫んだ。



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