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テイルズオブlong
風紀委員。
和やかな雰囲気の中、シングは誰かがこちらに歩いてきているのを見てしまい、ぽかーん、とした。

何故ならその人物は真顔で髪の毛をフワフワと揺らしながら迫ってくるのだ。

少し怒った様なその顔は、クレスやエミル、ヒスイ逹と同じで、かなり整っており、気品が溢れている様な気がした。

そして、その人は気がつけば既に目の前に立ち、かなりの至近距離だというのに何も意識していないのか、更に顔を近付けてくるのでシングはヒスイに腕を引かれ後ろに下がった。

ヒスイがその人物を睨み付ける。

それを見たその人物は、何もわからないように首を傾げた。

ヒスイががっくりと肩を落とす。

その人物は腕に『風紀委員』と書かれたものを巻きつけており、いかにも真面目そうな顔付きをしている。
エミルが後退りをする。

シングは風紀委員と見つめあう。

風紀委員は穏やかな目を一瞬見せた。

かと思えばきっ、と目付きを鋭くして

「早く座ってくれ、始められないじゃないか。……あと、会長もしっかりして下さい。これでは生徒に示しがつきません。」

と言われ、その場が静まりかえる。

クレス「うっ、ご、ごめん…」

クレスも頭が上がらず、申し訳なさそうだ。

「…え、いや、そこまで謝らなくても…」

風紀委員も、クレスがあまりに落ち込んでいるのでタジタジだ。

クレス「…本当にごめん、ほら皆、座ろう。」

シング「あうぅ…、その…ごめんなさい。」

シングが風紀委員に謝る。
「ああ…そこまで気にしなくて良いから。」

しかし風紀委員は少し冷たく返してきて、シングは嫌われているのかな、だとか怖い人だな、と思った。

そして、エミルに声を掛けられてようやくハッとして椅子に座った。

シングの頭には、風紀委員のしゃきしゃきとした後ろ姿が焼き付いていた。

その後ろ姿から既に彼は優等生だとわかった。

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