テイルズオブlong
3話―綺麗な人
さっさと着替えたシングはしっかり仕事をこなしていた。
とはいえ、真面目なのは性に合わず、話しかけやすい店員として、主に案内役をしている。
店長であるカルセドニーも仕事仲間のベリルも、性格に難があるため、シングに集まるのだが、新たな仕事仲間が入ると聞いて、少し期待している。
来週には出勤してくると聞いているが、あくまで遅くて、だ。
だから、ソワソワしてしまう。
「おーい、店員さーん」
考えている最中、誰かに話しかけられた気がしたが、気のせいだろうと気にとめなかった。
「おい!!無視してんじゃねえー!!!」
しかし、それにキレた客が殴りかかってくる。
あと少しで命中するというところで、シングの前に人が現れた。
「おいおい、何キレてんだ?短気すぎだろ…。」
その人物は呆れた顔に笑みを浮かばせていた。
その美しさに、シングは目をパチパチとした。
「おーい、だーいじょうぶかー?」
「へ、ああ、うん!!」
ぼうっとしていたのか、その綺麗な人は間近に迫っていた。
「な、何だてめえ!?」
「まあまあ、とりあえず落ち着けってーの。」
「うるせー!!」
ドゴッ!
鈍い音がして、ぶっ飛んだのは客で、見ていた人は口が半開きだった。
シングも例外ではなく、再びぽかーんとした。
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