お前の為なんかじゃない

※現パロ









授業中、三人組を作ることになった。
ほとんど惰性でいつものメンバーと組んだがすぐに後悔した。


実験道具を隔てて三郎次と左近が隣り合わせで立っている。
隣同士ではあるがふたりの間は少し空いている。
三郎次は恥ずかしがっているのだ。

以前、左近と会話しているときの三郎次はなんだかそわそわしているから、もしかして好きなのかよ、と尋ねたら一瞬静止した後真っ赤になって否定してきた。冗談のつもりだったからとても驚いた。

確かに左近は男にしては線が細いし髪もきれいだ。
少し意地悪なところもあるが気が利くし根はやさしいから女の子だったらよいお嫁さんになったんじゃないだろうか。

どうやら本気らしいので僕も応援くらいしてやりたいと思っている。
・・・・・・思っているのだが。



肝心の三郎次がどうしようもない。
変なところで乙女になったり余計なことを口走って好感度を下げたり、これでは僕がいくら応援をしても意味がない。

お前ももっと器用に生きられたらいいのにな、と思っていると本人に実験に集中しろよ、と睨まれた。お前のせいなんだが。

僕から目を逸らした彼が何かを見て驚いている。目をやると左近が何もないところでつまづいている。
いつの間にそこまで行ったのか、それを抱きとめる三郎次。
これは素晴らしい状況ではないか!男女ならここから恋愛に発展してもおかしくない、たぶん。

「ありがとう、三郎次」
「・・・って、お前のためじゃないからなっ違うからなっ」

左近は三郎次の剣幕に少し引いている。
ああ、余計なことを言うから・・・。

「意味が分からん・・・なあ、久作」

言いながら左近は僕の隣にやってくる。
苦笑いをしたら三郎次がにらんできた。
左近の隣を取った上会話をしている僕に嫉妬しているのだ。
そもそもお前のせいじゃないか。どうしろと言うんだよ・・・。
左近も左近で鈍すぎる。三郎次の態度から自分への好意くらい読み取れるんじゃないのか。


そう思っている間にも三郎次はうらみがましく僕を見ているし左近は呑気に実験を進めている。


もう何でもいいからこの2人をくっつけてくれよ神様、と思った。






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素敵な企画、一二飛ばして三のお前さまに提出致しました。
ありがとうございました!








あきゅろす。
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