背中に鈍い衝撃。盛り付けが2ミリほど自分の考えていたものよりずれたが、許容範囲。
前にも似たような事があった。あの時は夜だったが今はお昼少し前の明るい時間。何より仕事中。
またあの時と同じように背中にぎゅっと腕が回される。
「*、また怖い夢でも見たんですか?まぁそうなると仕事をさぼってうたた寝していたことになりますが」
「…」
デジャブ、というのはこういう事でしょうか。もう一度名前を呼ぶと、やはり腕の力は緩む。振り返ると泣いてはいないものの表情がない。
「今日はどうしました?」
「…」
「淋しかったんですか?」
「!…」
小さく頷く*は、どうやら私のスキンシップが少なかったので不安になり自分から飛び込んできた様子。
確かに今日は午前中から来客があった為、坊ちゃんの傍にずっといて*と話をする時間は全くなかった。
「おやおや、私が触れると嫌がる癖に触らないと不安がるなんて我儘なお姫様ですね」
「…"いつも"に慣れてしまったんだから仕方ないじゃないですか」
「可愛い事言ってくれますね」
「…ふ…ッ」
嬉しい気持ちを屈んでそのまま噛みつくように深く唇を重ねて表せば、頬を上気させたまま口をぱくぱくさせる。
「な、」
「リクエストにお答えしたまでですよ?」
貴女が望んだ事でしょう?と耳元で甘い声で囁けば、俯き大人しくなった。
さて午前中の分はこれから取り返さないといけませんね。
ハロー、愛しい人
title 惑星
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