04
04.
「どういう事だ。まったく意味が解らん」
一行は、イシュヴァルトの私室へと移動していた。
どさりと背もたれに背を預けたイシュヴァルトは、苛立たしそうに髪を掻き上げた。
「やらせじゃねぇのか?」
「私もそう思います。ですが、瞳の色を偽る事はできませんし……」
「だよなぁ」
この世界には、青達の世界にあったカラーコンタクトのような物などは存在していない。瞳の色をおしゃれ感覚で変更する事は不可能なのだ。
うーん、とクレウィーアもリードグレンも頭を抱えてしまった。
「セイとコウはどう感じた?」
「どう感じたって?」
「言葉のとおりだ。感じた事、思った事、どんなことでも構わない」
青と紅は目を見合わせた。
青が感じた事は、紅も感じている。そう確信できるのは、双子の神秘というものだろうか。
「……怖かった」
「怖い?」
イシュヴァルトは眉を顰めた。
「怖かったというより、気持ち悪かった?」
「うん。気持ち悪かったね」
ますます意味解らなくて、イシュヴァルトはリードグレンとクレウィーアにそっと視線だけで問い掛ける。だが、二人にも解らないらしく、小さく首を振るだけだった。
「禍々しい……感じがしたよね……」
「同じ紫の瞳なのに、全然違う」
イシュヴァルト達は彼等に対して何も感じなかったが、どうやら双子は違ったらしい。
「どう違った?」
「どう……って訊かれても困るんだけど……紅、解る?」
「うーん。なんだろ?」
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