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05-3


「……イシュト」

そっと青がイシュヴァルトに答えを求める。
イシュヴァルトは紅から青へと視線を移した。

「おまえは、いいんだな?」

イシュヴァルトは青の瞳を捉えた。

「うん」

これは紅だけの問題ではない。
紅の問題は、双子である青の問題でもあり、青の問題は夫であるイシュヴァルトの問題でもある。
だからこそ、一存では決められない。そういう事だろう。

「サウール」

イシュヴァルトは誰もいない窓の方へ呼びかけた。

「はい」

紅は内心驚いた。
さっきまで影も形もなかった場所に、何者かが膝をついていたのだ。

「おまえに任せる」

「御意」

サウールと呼ばれた男は、すっと立ち上がると紅に近付いた。

「お初にお目にかかります。サウールと申します」

男の身に着けているものは、紅の世界でいう忍者のようなデザインの黒の上下で固められていた。

「彼は隠密?」

「サウールは隠密の頭だ」

「え……」

そんな重要な人物を着けられるとは思いもしなかった。

「おまえの腕はリードから聞いている。信用していない訳ではないが、万が一の場合にも備えておいた方がいいだろう」

紅は一瞬の躊躇いを振り払った。
剣の腕が実戦で役立つかは、実際に戦いの場に立ってみなければ判らないのだ。
それに、サウールを着けることでイシュヴァルトや青が少しでも安心できるなら、それもいいだろう。

「あなたは、いいの?」


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あきゅろす。
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