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03-2
兄弟として、家族として。自分が守ると、小さい頃そう己に誓った。
ずっとそれは続いていくのだと思っていた。
紅は青から赤ん坊に目を移した。
それが、守るべき対象が今や一人の子供の母親とは。
いつかは起こり得る可能性はあった。けれど、そんな日は来ることはないとも感じていたのに、運命とはなんと不思議なものか。
紅自身も、同性の人を好きになるなんて、あの世界にいた頃には想像だにしていなかった。

「それにしても……遅いね、イシュト達」

もう昼食の時間を回って随分経っているというのに、彼等は一向に姿を見せる気配はない。

「そうだね。仕事が長引いてるのかな」

「様子見てこようか?」

紅は椅子から立ち上がろうとしたが、青がそっとかぶりを振った。

「仕事だったら邪魔したら悪いし、このまま待とう?」

「そっか。そうだね」

紅は椅子に座り直して茶器を取り上げた。

結局、彼等は昼食を摂りに現れることはなかった。





「来なかったね」

「うん。そんなに忙しいのかな……」

心配そうに青が呟いた時、ガチャリ、と扉が開く音がした。

「イシュト、レヴィ」

二人が部屋の中に入ってくる。
迎え入れる為に、青に続いて椅子から立ち上がった紅は、おかしい、と直感的に感じた。
二人の表情が、心なしか青ざめて強ばっているように見えたのだ。
いやな予感が紅の胸を過ぎる。
この胸騒ぎが、ただの気のせい終わって欲しい。
紅は、ぎゅっと胸元の衣服を掴んだ。

「なにかあったの?」

紅に遅れて、青も二人の様子に気付いたようだ。

「イシュト?」

問い掛けられたイシュヴァルトの表情に苦悩の色が滲むのを見て取り、青は口を噤んだ。
クレウィーアをそっと窺ってみると、彼も同じ様な表情をしていた。

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あきゅろす。
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