[携帯モード] [URL送信]
洋輔【01】


幼馴染みのさくら。
可愛い可愛いさくら。


麻希と出会わなければ、俺は間違いなくさくらに恋をしていた。


幼馴染みだが、兄弟のように、家族のように、恋人のように。
そんな大切な存在のさくらが、恋をした。
相手は同じ車両に乗っているサラリーマン。


嫌われたと言って、さくらは泣いた。


そんな事は有り得ない。

誰もが見惚れるくらい可愛くて綺麗なさくら。
性格だっていい。
そんなさくらを嫌いになる奴など、いる筈がない。

俺も麻希もそう思っているし、実際さくらにもそう言った。
けれど、さくらは俺達の言葉を信じ切れていないようだった。


不安そうに俯くさくら。
そんな表情(かお)は似合わない。


ムカついた。
さくらにこんな表情をさせる相手に。


どんな奴だ。
さくらを悲しませる奴は。


俺はさくらと一緒に通学する事にした。
勿論、恋人の麻希もさくらが大好きなので異論はなかった。





俺はさくらを迎えに行き、さくらがいつも乗る電車を待った。


さくらは車両の中で注目されていたようだ。
俺がさくらを庇いながら一緒に乗り込むと、あちこちから嫉妬混じりの視線が向けられた。




[*前へ][次へ#]

7/78ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!