さくら【02】-3
「でもな、さくら。麻紀が言ったように大丈夫だから、安心しろ」
洋輔までそんな事を言う。
なんの根拠があって、そんな事を言うのかな。
でも、これ以上心配を掛けたくなくて、僕は無理矢理笑顔を作った。
「二人がそういうなら、信じるよ」
ごめんね。
本当は信じてはいないんだけど。
「あーもう」
くしゃくしゃと洋輔が僕の頭を掻き回した。
「明日っから、一緒の電車に乗ってやるから」
だから、泣くなと洋輔は呟く。
麻紀はいいの?
恋人が、友達とはいえ他の人通学するのなんて、僕だったらイヤだよ?
「そうだね、その方が僕も安心するよ」
麻紀も洋輔も、僕と比べたら全然大人だよね。
「……ごめんね」
「なーに謝ってるんだよ。なぁ」
「そうだよ。さくらが謝る必要なんてないよ」
「……じゃあ、ありがと……」
すん、と鼻を啜りながら言い直すと、麻紀と洋輔は安心したように笑ってくれた。
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