05-2
「……僕も、連れて行って、リード」
リードグレンがぎょっとした。
「莫迦なことを言うな。どんな危険があるか判らないんだぞ」
「でも……」
じっとしてられないのは、青も一緒なのだ。
瞳からその気持ちを読み取ったリードグレンは、困ったようにイシュヴァルトを見やった。
「イシュト、お願い」
瞳に涙を溜めて懇願する青に、イシュヴァルトは負けた。諦めにも似た溜め息を吐き、頷いてみせたのだった。
「ありがとうっ!」
首に抱き付く青の腰に、さり気なく手をやって支えてやる。
「ただし条件がある」
「条件?」
「私も一緒に行く」
「──陛下、それは……」
それにはクレウィーアが難色を示した。
「認めないのなら、青が行く事も認めん」
その言葉に、青の瞳がクレウィーアに向けられる。青と紅には甘いクレウィーアは、うっと詰まった。
「レヴィ、ダメかな?」
うるうると今にも零れ落ちそうな瞳で、必死に見上げてくる青に、クレウィーアは勝つ事ができなかった。
「──わかりました」
「本当に?」
「ええ、いってらっしゃい。コウが心配でしょう?」
「ありがとうっ」
がばりと抱き付く青を、慌てて引き剥がすが間に合わなかった。
冷え冷えとしたイシュヴァルトの瞳に捕まり、クレウィーアは今度は別の意味で詰まった。
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