[携帯モード] [URL送信]
05-2
「……僕も、連れて行って、リード」

リードグレンがぎょっとした。

「莫迦なことを言うな。どんな危険があるか判らないんだぞ」

「でも……」

じっとしてられないのは、青も一緒なのだ。
瞳からその気持ちを読み取ったリードグレンは、困ったようにイシュヴァルトを見やった。

「イシュト、お願い」

瞳に涙を溜めて懇願する青に、イシュヴァルトは負けた。諦めにも似た溜め息を吐き、頷いてみせたのだった。

「ありがとうっ!」

首に抱き付く青の腰に、さり気なく手をやって支えてやる。

「ただし条件がある」

「条件?」

「私も一緒に行く」

「──陛下、それは……」

それにはクレウィーアが難色を示した。

「認めないのなら、青が行く事も認めん」

その言葉に、青の瞳がクレウィーアに向けられる。青と紅には甘いクレウィーアは、うっと詰まった。

「レヴィ、ダメかな?」

うるうると今にも零れ落ちそうな瞳で、必死に見上げてくる青に、クレウィーアは勝つ事ができなかった。

「──わかりました」

「本当に?」

「ええ、いってらっしゃい。コウが心配でしょう?」

「ありがとうっ」

がばりと抱き付く青を、慌てて引き剥がすが間に合わなかった。
冷え冷えとしたイシュヴァルトの瞳に捕まり、クレウィーアは今度は別の意味で詰まった。

[*前へ][次へ#]

12/36ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!