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意地でも認めてやるもんか
――…
特別死刑執行刑務官部隊 救護班所属 法務省本部医務室勤務。
それが現在の肩書き。
―簡潔に述べると私は才色兼備の“いい女”ってやつで、それを私自身重々承知しているってこと。
故に私には自負も自信もある。
だからかしら？
今までなかったの。本気の恋っていう、果てしなく面倒で辛くて。
それでいて幸せに満ちた感情。
…――
「おはよう。」
「！」
なんで、いるかなぁ。
「…相変わらず、口の減らないこと！」
「名前こそ相変わらずでしょう？」
全く、いつもこう。
馬鹿みたいって思うのに言わないと気が済まないのはお互いさま？
それに、私にネクタイ結ばせるなんていい度胸。
至極当たり前のように催促する。
当たり前みたいに！
どうせ毎日、その辺の女の子にやらせてるんでしょう、ほんとにあなたは王子さまね？
でもね、
いちいちそんなこと気にしてる私がおかしい。
わかってるわよ。
だから仕返し。
「見とれてました？」
いつもと違う自分が、悔しい。
「…ッそんなんじゃない！」
意地でも認めてやるもんか
悔しいなぁ。
あの人が好き？そんなことない かな、と思うけど、この胸の高鳴りは不安を煽る。
ねぇ、余裕が欲しいのもお互いさまですか？
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