良牙× ( あれは猛毒だ。 ) そう気が付いたのは随分前で、毒がじわりじわりと俺の体内を駆け巡り、浸透し切った後のことだった。いやに時間をかけて内側から侵すそれは無害なようでいて実質紛れもない有害であり。正常な思考を狂わせる。 なあ良牙、そう多量の毒を孕んだ甘ったるい声が俺の名を呼び( 最早致死量の域だ。 )、そのくせに俺のことなどなんとも思ってないかのように笑うのだから質が悪い。( 現に意識されていないのだ。 ) 「誰かに誤解されたら困るからはやくはなしてくんねーかな」 困ったような声で心底迷惑そうな顔して全然優しくないことばかり吐き出すその口だけれど、何故だか俺にだけは優しく感じさせるのだから。染み込んだ毒の作用も大したものだ。抱き締めた華奢な身体が軋んだ音をたて、痛みからか小さく悲鳴とも呻きともつかない声をあげた乱馬に気付いて腕の力を緩めた。相手の肩口に顔を埋めるようにして抱き締めていた身体をそのままに口を開く。 「なんで俺ばっかり好きなんだ」 「はあ?」 わけがわからないといった風に疑問符を浮かべ訝しむ様子は間抜けで、それでいて愛らしい。体内に蓄積された毒がずしり、と重量を増し。足元から喉元まで詰め込まれたそれは馴れてしまえば大概心地良いものなのだ。 「お前もはやく俺のことを好きになれ」 ( 乱馬もはやく俺に毒されてしまえば良いんだ。 ) ――――――――――――― 間違えた。間違えて違う文貼り付けちゃったんだ…あれなおしたかったやつなんです。でもこれもこれで微妙でもうどうすれば良いかわからないorz 戻る |