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ミン→乱





噛みつかれたんだ、と。
そう正確に認識した時にはもう遅かった。振り払った腕にくっきりと残る血の滲む歯形。皮膚に付着し、てらてら光る唾液。何すんだテメーと声をあげようとしたところで眼前にせまってきた可愛らしい作りの顔した少年に唇を奪われ沈黙。
凍り付いた背筋。激しい拒否感と困惑、驚愕が複雑に混ざり合って混乱。硬直した俺に少年はにこりと人好きしそうな愛らしい笑みで以て口を開く。



「結構頑丈なんだ」


「……な、に」


「僕だって曲がりなりにも獣の血を受け継いでるんだから、片腕くらいは簡単に持っていけるかと思ったのに」



ああ、でもやっぱりそう上手くはいかないもんなんだなぁ。ライムさんだったら出来ただろうか。そうぼんやりと呟いて困ったように眉を下げる。困ったのはこっちだ。片腕持ってく気だったのかオメーは。痛みの度合いと言えば犬猫に噛み付かれた程度もので、そうも大したことはないのだけどヂクヂクと痺れるような痒いような感覚に傷口を押さえ舌打ち。少年、ミントはわけがわからないとでも言うように小首を傾げ、なんでこんなことしたんだと問うと、さしてどうでも良いことのようにああ、と声をもらした。だって、そう見た目通りの子供らしい口調で続ける。



「お前はもうハーブ様のもので、僕のことを好きにはなってくれないだろうから」



代わりに片腕くらい貰っても良いと思ったんだ。



そう無邪気に微笑むその姿に目眩。頭部を内側から鈍器で殴られたような衝撃が走った。






悪意の欠片もない
その瞳が逆に怖かった。






――――――――――
ミント、好きだけど話口調よくわからないミント。でもハーブとかライムや女性以外には多分、敬語じゃなさそう、ですかね?(知らんて)マイナー過ぎて自分で自分にビックリだ。寧ろ関わりねーだろって感じだよなわかってたはずなのに何故書いたんだろう。管理人は単行本を読み返すべきである。(現在手元にないという悲劇)
かなり表にだすのを躊躇いました。


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あきゅろす。
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