今日の若菜ちゃん 「えーっと、今日はー……」 ベッドに寝転んでメール作成。 何日かに一度、一人で東京に行った馬鹿な幼なじみにメールするのが私の仕事。 みんなでメールしたら迷惑だろうからってことで、幼なじみである私が元チームメイトを代表してメールしてる(深い意味はない)。 内容は毎回代わり映えのしない近況報告。 みんなの様子とか、こっちも頑張ってるよ、とか。 アイツは忙しいだろうから返信なんか期待してない。というか最初なんて全然来なかったし。最近漸く来るようになったばっかだし。 アイツなら絶対メール読んでくれてるのはわかってるから、別に返信なんていらない。 アイツは野球を頑張る。それだけでいい。 だって、私は初めて東京に行ってからのアイツの試合を見た。 マウンド上の、すっかりたくましくなった幼なじみの姿。 思い出してしまった私は、思わずクスッと笑みをこぼした。 「――それじゃあ栄純も頑張ってね、若菜……送信、っと……あっ!」 私はベッドから飛び起きた。 「ど、どうしよう……!」 『頑張ってね』の後にうっかりハートの絵文字を入れて送ってしまった。 こ、これは流石にない。 だって、ただの幼なじみなのに。こんな絵文字急に使うなんて、変じゃない? しかもよりによってハートって……きゅんきゅん動くピンクのハートって! うぅ、変に思われちゃったりなんかしたらどうしよう……。 な、なんか反応あるかな。いや、期待なんかしてないけど。 し、してないけど……うぅ〜――ああもう馬鹿馬鹿馬鹿!妙な誤解なんてしたら許さないんだからね! そ、そうよ、誤解なんて……… 許さな……………… …………… 「――返信しなさいよぉおおおお!?」 今日の若菜ちゃん (馬鹿栄純!もう知らないっ!) *若菜ちゃん時々乙女モード。 100911 [*前へ][次へ#] |