星霊たちの7days★Holiday★(河野麻深様リクエスト)
★Saturday★星霊たちの仁義なき戦い★
その日、人間界から帰還した獅子宮のレオを出迎えたのは、3体の星霊だった。
金牛宮のタウロスと人馬宮のサジタリウス、そして巨蟹宮のキャンサー。どれもレオと同じく星霊界に1体しかいない、黄道十二門に属する特別な星霊たち。
普段あまり干渉しあわない彼らの珍しい揃い踏みに、レオはぱちくりと瞬く。
「何、どうしたの?」とレオが彼らを見渡せば。
タウロスが、ずい、と前に出た。
「――前々から言いたかったがMOー、お前少し勝手じゃないか?」
「え?そんなことないよ?」
「ある!お前だけ人間界でルーシィさんの素晴らしい乳拝み放題なんてずるいんだMOー!」
「そこは違うからして、もしもし」
とサジタリウス。そのツッコミに「あれ、もしかしてキャンサーにサジタリウスまで同じ意見?」とレオが問えば。
「……エビ」
「レオは最近調子に乗りすぎでありますからゆえ、もしもし」
2体の星霊は小さく肯定を示す。
真面目なサジタリウスはレオがルーシィを弄ぶような態度が許せない。キャンサーはレオによるストレスでルーシィの髪や肌が傷むのが許せない。そういう理由でレオに文句を言おうと言うタウロスに賛同したのだ。
「フフフ、3体同時なら獅子宮でも勝てるかMO〜?」
完璧悪役スマイルのタウロスに、「んー、ちょっとまずいかな?」と苦笑するレオ。
レオは今人間界から帰還したばかりで、魔力の回復も追い付いていない。
今この時を見計らった、完璧な待ち伏せだった。
と、その時。
「きゃあぁあああ間に合ったぁあああ!!?」
「リラ……?」
がプルーとホロロギウムを無理矢理引きずる異様な光景。あの細腕のどこにそんな力があるのだろうか。
そんなリラは4体を見るなり、きらきらと表情を輝かせる。
「きゃああああレオサジタリウスタウロスキャンサー!久しぶり久しぶり久しぶり久しぶりぃ!」
「ひ、久しぶりでありますな、もしもし」
「あのねあのねぇ、私たちみんなが戦うって聞いたから応援にきちゃったのぉ!間に合ってよかったぁ!!」
「プーン」
「と申されまして」
緊迫した空気にそぐわない、きゃらきゃらした笑い声にたじろぐ4体の星霊。やはり皆琴座のリラのテンションは苦手なのである(フェミニストのレオはすぐに持ち直したが)。
一瞬、緊張が緩む――が、しかし、それは思わぬ爆弾娘だった。
「あ、そうだぁ!私クル爺から聞いたんだけどサジタリウスってルーシィの生乳見たんだってぇ?きゃーやだもぉサジタリンのエッチッチ〜!」
『なんだって!?』
それまで敵対していたはずのレオとタウロスが声を揃えてサジタリウスを睨む。
サジタリンなどという妙な愛称にツッコむどころではない。
サジタリウスは慌てて「あ、あれはジェミニでありますからして、もしもし」と言い訳をしたが。
「……それでも見た……、エビ」
普段喋らないキャンサーの呟きは何処か重い。「もし!?」とサジタリウスは顔を青くする。
「くぅっ、ジェミニ、何故自分には見せてくれなかった!」と嘆くタウロスに「きっとオーナーの命令だからさ」とレオの謎のフォロー。それを聞いたタウロスは、
「MOー!わかった、じゃあ自分が命じてやる!ルーシィさんになれジェミニ……って居なーい!」
「――その前に、いつからあなたはオーナーになったというのですか?」
不意に冷ややか――というよりは作業的なまでに淡々とした少女の声。
同じく黄道十二門、処女宮のバルゴである。
そしてその後ろには。
「MO〜!アリエスちゃ〜ん!」
タウロスが目をハートにして飛び出した先に。
「ひゃう〜、私タウロス苦手〜!」
逃げようとする、白羊宮のアリエス。
そのタウロスの魔の手がのばされる直前。
スパーン!
バルゴのハリセンがうなった。「MOー!」と衝撃で崩れ落ちるタウロスの巨体。
。一体どこから取り出されたかもわからないハリセン――魔法がかけられているのか、ビシッと綺麗なままだ――を構えたバルゴは、アリエスの前に屹然と立つ。
「アリエスに触らないで下さい」
「ば、バルゴ〜」
ふにょにょ、と後ろからバルゴに縋りつくアリエス。
「――と、姫から命じられてますので」
ふ、とアリエスを安堵させるように微笑む頼れる星霊。
それはもう、ここにいるどの星霊よりも男前だったりして。
ちょっと困ったことにアリエスはドキドキしてしまったり。
「――アリエス」
「レ……あぅ」
レオを発見したアリエスは笑顔を浮かべそうになり、はっとする。オーナーが新しくなって以来、それは初めての対面。
気まずげにもじもじするアリエスに、しかし、レオは優しく微笑みかけた。
「バルゴと友達になったんだ。よかったね」
「――う、うん!」
前と同じように笑ってくれたレオにアリエスも照れたように微笑み返す。やっぱり昔のレオだ。優しくて、面倒見がよくて。
彼のどこが女好きな腐った駄目男(そこまで言ってない)なのだろうか?
というやり取りの合間に。
「で、でMO……」とタウロスが復活。その次の瞬間には走り出す。「自分はバルゴちゃんの乳でMOー!!」
「きゃあ、バルゴ〜!」
「問題ありません」
刹那。
ぼん、とバルゴが巨大なゴリラメイドになった。
途端に「も、MO〜!?」という悲痛な叫びと共に勢いが削がれたタウロスは、その場にがっくり膝を付き、
「垂れた乳になど自分は興奮できない!」
「問題はそこ〜!?」
とアリエスが叫んだ瞬間。
「――ついに覚醒しましたねアリエス」元の姿に戻ったバルゴは、パチパチと無表情に拍手。「姫は最初からあなたに期待してました」
「る、ルーシィさんが?」
「あなたなら私たち星霊のツッコミの星になる、と」
「ほぇえ?わわ私ツッコミなんて……」
とおどおどするアリエスを置き去りに、バルゴはタウロスたちに向き直り、丁寧に一礼。
「本日は姫の命により勝手に人間界に行き、二晩で五人の婦女子をたぶらかした色ボケ星霊一体をお仕置きに参りました」
「あ、僕か〜」
「そ、そんなことしたのレオ!?」
「え、でもほら、これでも少ないんだよ?」
「そういう問題じゃないわよ!?」
とツッコみながら――あぁ私ツッコんでる〜!?とか思いながら――アリエスの中でガラガラと音を立てて紳士で硬派のレオ像が崩れるのを感じた。
「――しかし」とバルゴ。「話を聞かせていただいておりましたが、あなた方は何やら争っているようですね」
「も、もしもし」「MOー」「……エビ」
「それでは、秩序を乱そうとする他の星霊も姫に代わってお仕置きさせていただきます。――さあ、アリエスはスリッパを。共に愛のツッコミでもって姫の意志に応えましょう」
「そういう意味のスリッパだったの〜!?」
バルゴはルーシィ作のおバカ矯正用ハリセンを構え、アリエスは促されるまま対レオ専用スリッパを構える。
しかし。
スリッパにハリセン。
「……ルーシィは俺達をコント集団にでもするつもりか?エビ」
一人もっともなことを言うキャンサーである。
「きゃあああ皆頑張れ頑張れぇえええ!!」
「プーン」
「と申されまして」
という非戦闘の声援(?)の中。
「――ウィーアー!君達、何をしてるんだい!イェイ!」
突然、リラとはまた別のテンションの高い声が割り込んできた。
それと同時に。
「ああんスコーピオン、ほっときましょうよぉ〜」
『あ、アクエリアス……さん!』
タウロスとキャンサーとサジタリウスは気をつけの姿勢。リラもプルーもホロロギウムも。さらにはバルゴまでビシッと美しいメイド立ちを決める。
レオ以外の全員の奇行に「?」と1体だけ首を傾ぐアリエス。
まだこのメンバーに入って日の浅いアリエスには宝瓶宮のアクエリアスは初めてだったが。
「スコーピオン、久しぶりね」
「ウィーアー!アリエス、傷は治ったかい?」
天蠍宮のスコーピオンとは前の主から一緒だ。
久しぶりの再会に喜んで、うん、と頷こうとしたら、
「あ、スコーピオンの仲間だったコね。よろしく〜」
とアクエリアスが笑顔で手を差し延べてきた。あわてて手を延ばし、「は、はい。よろしくお願いします」、と握手した瞬間。
「――私のスコーピオンに馴れ馴れしく話かけてんじゃねーよ。あ?皮剥ぐぞ羊」
「ごごごごごめんなひゃい」
ぎりり、と手を潰され、目前で凄まれたアリエスは舌が回らなかった。
前のオーナーのカレンに凄まれた時より怖い。たまらなく怖い。
ふにょにょ、と頼りになるバルゴに助けを求めれば。
「アクエリアス様、お久しぶりでございます」
の美しい一礼。
あ、駄目だ、頼りにならない。アリエスはいろいろ諦めた。
「MOー……」
アクエリアスの登場に軽くビビっていたタウロスだったが、スコーピオンも一緒なら話は別だと思い始めた。アクエリアスが彼の前でだけは猫をかぶるのは衆知の事実。
それに、このままぐだぐだやっているとレオの魔力の回復を許してしまう。
焦れたタウロスは斧を抜いた。
「も、MOー!レオ、とにかくこれ以上ルーシィさんに近付くことは許さん!」
「え、やるの?いいよ。ルーシィは僕が守るから」
「も、もしもし、何故それがしにも斧を向けてるでありますからして、もしもし」
「……ナマ乳をまだ怨んでるエビ」
「困りました。この位置だと巻き込まれますね」
「ば、バルゴ下がって!私防御なら……!」
「ウィーアー!よくわかんねぇが俺もカッコイイとこ見せるぜアクエリアス!」
「きゃああん頑張ってスコーピオぉン☆……スコーピオンに傷負わせたら貴様ら殺すからな」
『はい、アクエリアスさん(様)!』
「プーン……」
「えぇ?ようやくやるのやるの?やっちゃうのぉ?じゃあ私戦いの歌とか歌うね?それじゃあ聞いてください……『星霊たちの仁義なき戦い』!」
そして、リラの琴の音を合図に開戦。
するより僅かに早く。
「――もうやめてー!」
強い意志の声が割り込んだ。
★Sunday★星霊たちの反省会★
「もうやめてー!」
強い意志の力が弾ける。
その抗えない力を持つ耳に馴染んだその声に、星霊たちはピタリと動きを止めた。
光る拳をタウロスに向けるレオ、斧をサジタリウスに振り下ろす寸前のタウロス、ホロロギウムを盾にしたバルゴ、とりあえずもこもこを生み出したアリエス、琴を奏でるリラとプルプルしてるだけのプルー、スコーピオンにハサミを向けアクエリアスに睨み殺されかけているキャンサー。
めちゃくちゃな乱戦の始まる直前。
現れたのは、彼ら全員の主――ルーシィだった。
「もう、みんないい加減にしなさい!ルーシィは――私は、仲間が争うのなんて見たくないからね!」
叱り付ける声は彼女そのもの。
しかし、ここ星霊界にルーシィが居るわけはない。こんなことができるのは――
「ジェミニ……」
誰ともなくその名を呟く。
双子宮のジェミニ。
彼らがルーシィに変身したとわかっていても、星霊たちは動けなくなった。
彼らが変身した人間の思考もコピーできるということを差し引いても、どこまでも真っ直ぐなそれはルーシィの――心優しい意思にしか感じられない。
そして彼女の強い意思を無視できる星霊など――
「チッ小娘がっ」
約一体。
「――ほマ、ということでございますがいかがなさいますか?」
気が付けば、ジェミニの隣にはクルックスが浮いていた。どうやらこのルーシィはクルックスの入れ知恵らしい。
黄道十二門でも、知恵者のクルックスには頭が上がらない。しょんぼりと全員俯く。中にはチッとこっそり舌を打つ者もいないではなかったが。
「す、すみませんでしたMO−ルーシィさん!」
謝りながらどさくさ紛れにタウロスが飛び付いた。その手が触れる直前に、ポン、とジェミニは変身を解く。
タウロスの腕がジェミニの遥か上をすかっと掻き抱いた。
「な、何故変身を解く!?」
『君、気持ち悪い』
「きもっ」
『もしくはキショい』
「キショっ!?」
『よらないでよ。鼻息あたる』
変身を解いたジェミニは前オーナーの影響か、少し毒舌気味だ。可愛らしいマスコット的見た目とのギャップはすさまじい。
「ほ、ほマ、しかし」
と新たな争いの火種が生まれようとするのをクルックスが遮るように、
「我々がこんなに集まるなんて珍しいとは思いませんか皆様」
言われて。
それぞれ、近くの者と顔を見合わせた。
星霊は長い時間を独りで過ごす。
とはいえ彼らも独りが好きなわけではない。時には交わり、友となることもある。
だが、人間と古き契約を交わした昔より魔法の種類が増えた昨今、星霊魔法という制限付きの魔法を好むものは減少。同じくして星霊の数も減った。
たくさんの星の集っていた街も、村も、今では数える程度。
だから気がつくと、独りを選ぶしかなかった。広大な星霊界で、独り。
扉を開いて、星霊界と人間界とを繋ぐ者――新たな契約者が、現れるまで、ずっと。
そんな彼らが争うためだったとはいえ、こうして集っているのは――
「ルーシィのおかげ、か」
「正しくはルーシィさんの乳への愛のおかげだ」
「それは違うからして、もしもし」
レオが言ってタウロスが色ボケしてサジタリウスがツッコむ。こんなことも、以前は――独りではできなかった。
結局のところ、まだ未熟な、しかし星霊が心から思えるような優しい主のおかげで今があって。
「ウィーアー!ルーシィへの愛で起こした戦いなら俺達もわかりあえるんじゃないのかっ?」
スコーピオンが言って、レオとタウロスの肩を軽く叩く。兄貴分のような頼れる笑みでウィンクを飛ばす。
くらり、とアクエリアスはよろめいた。
「やん、スコーピオン素敵ッ」
「最初スコーピオンはただ混ざりたかっただけじゃ」
「……あ゙?」
「ごごごめんなさいでありますからして、もしもし」
馬刺しにすんぞ、というアクエリアスの凶悪な視線にサジタリウスは軍隊式敬礼をビシッ。
ツッコミもしないほうがいい時もあるのだ(もしくはする星霊を選ぶべき)。
「……そうだね、スコーピオンの言う通りだ」
レオは苦笑して頷く。
独りを選んで、それでも――いやだからこそ、星霊の本質は“愛”。
主人を、仲間を、何よりも貴ぶ存在。
その主人である彼女が大好きで。彼女の側に存在するのが、幸せで。
だから、衝突もする。衝突もできてしまう――独りではないから。
「――それはそれとして」
ふ、とバルゴの淡々とした声。
「今回の騒ぎの元凶の方々にはやはりお仕置きしなくてはなりません。――それがこの姫直属のツッコミメイド隊(仮)の使命ですので」
とアリエスの肩を叩くバルゴに「私メイドじゃないよ〜……?」というアリエスの言葉は届かない。
クルックスはバルゴがルーシィに星霊界の秩序を守るよう命じられているのを知っているので、大きく頷いた。
「ほマ、二度とこのようなことがないようにお灸を据えるのがルーシィ様の意思であれば」
「では」
皆に向き直り、丁寧な一礼。
そして、スカートを翻し、再び何処からともなくハリセンを取り出し
スパパパン!
「MO」「……エビ」「もしっ」
タウロス、キャンサー、サジタリウスの頭をそれぞれ叩き。
ついでにリラもパシーン!と一発。
「うえぇえ!?なんで私もぉ!?」
「あなたは騒ぎすぎの同罪です」
「ああんバルゴちゃんひどいひどいひどいひどいぃいい!?」
「――続きまして」
と、騒がしいそれは無視。さらにヒートアップするリラのキンキン声は早くスコーピオンと二人きりになりたいアクエリアスが一睨みで黙らせた。
バルゴはハリセンをスリッパに持ち替えた。エルザの喚装並の素早さである。
そしてそのまま同じ勢いでレオにも行く――
かと思えば。
「――お兄ちゃん、メッ!」
ポコン
レオ専用スリッパで頭を叩く。先程タウロスを叩いた時とはまったく違う、かわいらしい音で。
「はは、ごめーん」
「もー、姫に迷惑かけちゃ駄目なんだゾ?」
「うん。でも」
「でも、とか言わないのっ」
ポコッ
第2撃。
「………」
怖い、とアリエスは思った。台詞は抑揚あるのに無表情なのが怖い。仕種も愛らしい妹的な感じなのに無表情なのがまた怖い。
そしてそれに笑顔で対応するレオも最強に怖い。
「いーい?お兄ちゃん、もう絶対ダメなんだからね!」
と最後に指を一本立てて一押しし。
何事もなかったかのようにピシッといつもの美しい姿勢に戻る。
「ではアリエスもどうぞ」
「はぅう?」
バルゴに促されたアリエスは。
「わ、私はいいわ……」
とアリエスはスリッパ(よく見るとルーシィのサイン入り)を隠した。
どんな女好きで性根の腐って後戻りきかない最低の駄目男(そこまで言ってない)でも、アリエスの中ではやっぱりレオはレオだ。
もう仲間なのに、また殴るなんて。
『じゃあ僕たちがやろうか、ピーリッ』
「ウィーアー!ここは我慢だジェミニ!」
『……ちぇーっ』
双子星霊を押さえ込んだスコーピオン。
そうしてレオは、「じゃあ」とタウロスたちに手を差し出した。
「いつも勝手してごめん。一緒に、ルーシィを守ろう」
代表者のタウロスは、フン、と鼻を鳴らし。
「MO〜!」
固く、握手。
その光景に、うんうん、と満足げに頷くクルックス。
レオはそのまま続けた。
「じゃあとりあえず乳はタウロス、髪はキャンサー……で」
「それがしは脚で、もしもし」
「それじゃあお尻は僕が担当でいいかなぁ?」
「MOー」
「依存はない」
「……エビ」
「もしもし」
主をパーツ分けして納得気味な男星霊たちを見て。
「な、ななな何の分担〜!?」
アリエスの放った渾身の一撃がレオの頭に突き刺さった。
「……あ、あれ〜?」
……突き刺さった?
「アリエス、それはプルーです」
「プーン」
「ひゃう?」
バルゴに言われて見た自分の手元に驚き、思わず凶器――プルーを取り落とす。
すると、ゆっくり、音もなく最強の星霊はその場に崩れ落ちた。
「はわわわ……ごめんなさいレオ〜!」
アリエスは慌ててレオを抱き起こした。だが戦闘用に頑丈にできているはずのレオはぴくりともしない。
そんな2体を見ながら星霊たちは顔を見合わせ。
声を揃えた。
『ドジッこ萌え〜』
――こうして、人間たちの知らない世界で星霊たちの小さな戦争は終結した。
「うわーんレオ、しっかり〜!死んじゃだめ〜!」
「……いや、俺達は死なないぜ、エビ」
「ププーン」
一つの星を犠牲にして――
★Afterday★
「ってことがあってね、みんなルーシィが大好きなんだ」
「うん。わかったから帰れ。星に」
入浴中だったルーシィはロキにシャワーをぶっかけた。
* * *
*これは一週間Memoにて連載の後加筆修正を加えたものです。
これをMemoで連載しながら他の小説も同時進行していた一週間。大変だったけどすごく楽しかった。あらためて星霊とルーシィ大好きになった。
個性豊かな彼らをちゃんと書き分けられたかわからないけど……全員平等に愛せたとは言えないけど……でも書いてよかった。
リクエスト下さった河野麻深様、勝手に連載に回したりしてすみませんでした。そして楽しいリクエストありがとうございました。
それからちょっと加筆のほうに時間がかかりましてなかなかまとめたものを更新できず申し訳ありませんでした。
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