それって結構重要なので【N*L】
ギルドのバーで仕事のないルーシィが一人読書にいそしんでいると、
「ルーシィ〜!」
と遠くから名前を呼ばれた。
「ん〜、何――わわっ?」
振り向いたルーシィの胸を目掛けて青い何かが飛び込んでくる。
咄嗟に抱き留めていたルーシィは、その青いものがよく知った猫であることに気がついた。
ハッピーだ。
「おー、ハッピーは本当にルーシィが好きだな!」
ハッピーと常にセットのナツが例の如く現れて、八重歯を見せて笑った。そのままルーシィの隣にどっかり腰を下ろす。
ハッピーはルーシィの豊かな胸に顔をうずめたまま、
「あい。飛び込んだ時の弾力がたまらないのです。ばよい〜んって」
「あんた発言が完全にオヤジよ!?ってゆーか好きなのは私の乳か!?」
『ば、“ばよい〜ん”……』
「あんたらは復唱しない!」
ナツとついでに話を聞いていたらしいギルドの連中にツッコむ。
それからルーシィは嘆息しながらハッピーの頭を撫でて、
「でもハッピー、あんまりスピードつけて飛び込んでこないでね。息止まるでしょ」
「おいらそんなにか弱い生き物じゃないよ」
「私の息が止まるのよっ!」
「ルーシィなら大丈夫なのです」
「猫に私の何がわかる!?」
「だってほら、エアバックなので」
「は?」
「この胸からエアーがバックします」
「オヤジギャグか!ってか胸に空気は入ってないわよ!」
「おーいハッピー」と離れて座るマカオ。「何なら俺に飛び込んでいいぞー?」
「あい!マカオは固いので嫌であります!」
「そ、そうか……」
はっきりした拒絶にはちょっとショックだったらしい。マカオは肩を落とす。
そういえばハッピーは大好きなはずのナツに飛び付く時もたいていは顔だった気がするな、とルーシィは思った。やはりオスネコだからだろうか。
ルーシィは苦笑して「ほらもういいでしょ。ナツんとこ行きなさい」、とハッピーの首を猫掴みで胸から剥がすと。
「――ルーシィちょっと立て」
と隣に座ったナツ。
「はぁ?」と怪訝な顔をすれば、「いいから」といつになく真剣な顔で立つように促される。
「? もう、何――ひゃわっ?」
立った瞬間。
下から腰に腕が巻き付けられた。
胸に埋められる、さくら色。
ぎゅ、とルーシィが逃げられないくらいに力強く。
でもそれは思っていた以上に優しく。
「な、ななな」
ぱくぱくと呼吸困難の金魚のように口を動かすルーシィ。
しばらくしてナツは腕を解き。
「……ん。ほんとだ」
解かれた瞬間、腰が砕けそうになるルーシィに。
ナツはニカッと無邪気に笑い、
「エルザよりやわらけーな!」
「………」
ルーシィは自ら腰を砕けさせた。
その勢いで。
ナツの笑顔に体重の乗った肘を叩き込んだ。
――――それって結構重要なので
「い、今のはナツが悪いでありますねルーシィ様!」
「そーねー。よくわかってるわ猫ちゃん」
* * *
まずはタイトルの頭に「ドラえもん 君は固いのやらかいの」を入れて下さい。はい、これで完璧な『ドラえもん短歌』(久保端佳)です。
初ナツルーを1日で書いた。ちょ、すごくね?構想2分とかありえなくね?
ちなみにナツのエルザよりってゆーのはエルザの鎧よりってこと。
まあ、ただハッピーとルーシィのからみが書きたかっただけなんてそんなこといえな
[*前へ][次へ#]
無料HPエムペ!