あたしをなんだと思っているの?【N←L】
ナツに抱きしめられた日。
ナツはあたしのこと好きなんだって思った。
ナツに抱きしめられた日。
あたしもナツのこと好きなんだって気付いた。
なのに。
ひょんなことから、“誰か”の代わりに抱きしめられてることを知っちゃった。
知っちゃったあたしを、また、ナツは抱きしめるんだ。
ぎゅって。
ぎゅうって。
「……ナツ、苦しいわ」
「んー」
「んーじゃないわよ。ねぇ、ちょっと」
「んんー」
「ひわわわ!すすすすりすりしないのっ。こらっ」
ナツってば相変わらず力加減ってもんがなってないんだから。
すりすり甘えるのもしつこいし。
すぐ匂いかぐ癖もやめなさいよね。もちろんお風呂は毎日入ってるけど、ナツの鼻はちょっと特殊なんだもの。女の子としてちょっと不安だわ。
で?
こうやって“誰か”も抱きしめてきたのかしら?
「……痛いよ、ナツ」
ねぇ痛い、胸が痛いよ。
これ以上は泣いちゃうからね。
そしたらアンタ困るでしょう?
困ってまた……抱きしめるんでしょう?
ああ酷い。
じゃあ泣けないじゃないの。
馬鹿。
ばーか。
「ナツ」
「んー」
「……ナツ……」
痛い。痛いのよ。苦しいのよ。わかってよ。気付いてよ。
“あたし”を見てよ。“あたし”を抱きしめてよ。
好きだって、言ってよ。
なのに突き放せないなんて。
ナツの体温が気持ち良いなんて。
自分から背中に手を回しちゃうなんて。
最低だよ、こんなの。
ねぇ、最低だよ、ナツ。
最低なんだよ、あたし。
――――あたしをなんだと思っているの?
ナツなんて、嫌い。
…………好き。
* * *
負け犬シリーズ3。
連載のLはこっちの感じで行こうと思ってたのに、いざ書いてみたらルーシィの強さが前面に出てしまった。こっちだったらまた後の話が変わったんだろうな。
早く言えばこれNGみたいなものですね。
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