君がいなくてどうすればいい?【R→L】
このところ、ルーシィの雰囲気が変わったなって思うんだ。
可愛いだけじゃなくて、綺麗になった。
元々容姿は飛び抜けてたコだったけど、このところ特に。
だから、
「ルーシィ、綺麗になったね」
なんて何気なく言ってみたら、「そうかな?」なんてはにかむように笑うんだ。
あれ、なんかムカつくな。
その笑顔って誰のためのものなわけ。僕に向けたものじゃないよね、絶対。
「そうだロキ、明日着てく服なんだけどどっちがいいと思う?」
「明日?」
「もう、言ったでしょ?明日から仕事よ」
「……ああそっか、ナツとだっけ」
「うん、明日は二人だけなんだー」
二人きり、って言えばいいんじゃない?
なんて意地悪は言わないよ。
嬉しそうだもんね、ルーシィ。
主が嬉しければ星霊だって嬉しいものだよ。
嬉しくなくちゃ、いけないんだよ。
「で、どっちがいいかなぁ」
「僕としては右のほうが好きだけど?」
「そう?でもこれじゃ気合い入れてるみたいじゃない?」
入れてるじゃないか、実際。
僕は苦笑して黙った。ルーシィがまた悩み始めたからこれ以上口を挟むのはよくないと思ったからだ。
一生懸命悩んでるルーシィはとびきり可愛くて綺麗。
ほほえましい、自慢の主。
でも見た目だけじゃない。中身だって自慢だ。
強くて優しくて仲間思いで――そうだ、ルーシィが救ってくれたから今の僕があるんだ。
僕のために命だってかけてくれたんだ。
あの時から僕のすべてはルーシィのもの。
鍵も力も心もすべて。
なのに、
「んーでもナツだしなー」
ルーシィは僕のものじゃないなんて。
もう僕を見てないなんて。
――――君がいなくてどうすればいい?
10分後。
「……むー」
なんてまだまだ絶賛お悩み中のご主人様に苦笑。
ねぇ、ナツとってことはハッピーも着いてくるってことわかってる?
頭からすっぽり抜けてない?
意地悪になっちゃうから言わないよ。
それとも言わないほうが意地悪かな?
「ああもうどうしよー!二人きりなのにー!」
ほーらやっぱり忘れてる。
僕はこっそり笑ってやった。
あーあ、可哀相にね、ハッピー。
もっと可哀相にね、僕。
* * *
負け犬シリーズ2。
ロキが珍しく静かに見守ってるのって正直どうですか気持ち悪くないですかオエェー。吐いた。
またいつかちゃんと勝ち犬になってもらいます。
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