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story
この瞬間(とき)を留(とど)めたい



隣に座る○○さんの手をそっと握ると 

にっこり笑ってくれる

「どうしたの?トワくん?」

「しーっ」

僕は小声で みんなに聞こえないように話す。

二人だけのひみつのはなし。

こういうのって、ドキドキわくわくしちゃう。



満月の夜の宴の日。

ずいぶん飲んで、みんなすっかりいい気分。

僕は、この日をとっても待ちわびていた。

宴は 楽しみだけど、もっと楽しい事をするんだ。

○○さんと二人で。



○○さんの手をとって 立ち上がる。

「トワくん?」

「甲板の端っこ。あそこがいいです!」

「え?え?」

○○さんの手をひいて 連れていく。

嬉しくて少し小走りになっちゃう。





甲板のすみっこは 真っ暗。

ランプも何ももってきてない。

「ここなら大丈夫かな」

「ねぇ、トワくん?どうしたの?」

真っ暗で、みえないけど きっと不思議そうな顔を

しているはず。


「みんなにはナイショですよ?」

「うん」


僕はポケットから あるものをとりだすと

小さくほわんとした あかりが

僕の右手のなかにいる。





「わぁ〜〜」

「これは、月の石っていって満月の夜に月の光を浴びて光るんですよ」

「これどうしたの?」

「この前の、お宝の中に入ってて、船長に言って もらったんです」

「とっても、幻想的ですてき!」

「よろこんでもらえて 僕も嬉しいです」

「今日は、これがあったからトワくんずっとソワソワしてたんだね」

「ぼ、僕 ソワソワしてました?」

「うん。ずっとどうしたのかなって心配してたんだよ」

「えへへ。ごめんなさい」

「いいよ。私のために準備してくれてたんだよね。ありがとう」


ちゅっ


○○さんが おでこにそっとキスをしてくれた。

「ふふ。照れてるトワくん可愛い!」

「○○さんは、もっと可愛いです!」





「おーい。おまえら、なにやってんだー?」


「ハヤテさんの声だ」

「早くいかないと、またからかわれちゃうね」

「うん。急いで戻ろう」




二人だけの、秘密の時間……



この瞬間(とき)を留(とど)めたい……



○○さん




大好きです。
























おしまい

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