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story
イバラ城08



ナギさんに手を引っ張られながら 暗い廊下を歩く。




私は ナギさんの気持ちに答えていいのだろうか。

ナギさんと気持ちが通じ合ったまま 幸せになるつもりだった。

だけど、私達の心の隙間にするりと入ってきたシンさん。

そして シンさんに奪われたファーストキス。

私の後ろめたい気持ちは これが原因。


これは 浮気?

私はそんなつもりはなかったけど…

ううん。

シンさんに心が揺らいでしまった瞬間があった。

やっぱり 浮気だよ。



ナギさんはあんなに一生懸命に私の事を考えてくれて

まっすぐな瞳で私を見てくれてる。



海賊になりたいなんて わがままいって

ナギさんを困らせて

挙句の果てにシンさんと…

私は 彼にふさわしくない。


後で ちゃんと言わなきゃ。









気を取り直して ナギさんに話しかける。

今は、まずシンさんを助けなきゃ。

○○「あの…道がわかるんですか?」

ナギ「…勘だ。処刑場所や牢は 地下や城とは別の建物に作ったりするだろう。こんな上にはないはずだ。とにかく、下へ降りるんだ」

○○「そっか。そうですよね」


少し歩くと 曲がり角になっていた。

ナギさんは 角のそばまでいくと 壁に背を向け慎重にまわりの様子をうかがう。

ナギ「角を曲がったところに 兵士らしきヤツが 一人立っている。あいつをオレが倒すから、その間におまえは向こうの角まで走れ。ただし、その先には勝手にいくな。わかったな」

○○「はい。がんばります!」




ナギ「いくぞ!走れ!」


私は ナギさんの掛け声で 思い切り向こうの角を目指して走る。

背中で、ナギさんの鎖鎌を振る音が聞こえた。



結構長い廊下だった。


○○「はぁ。はぁ。……」


角までたどり着いた。

息を整えてナギさんをまつ。



ナギさんは 兵士を倒すと急いで私のところまで来てくれた。

そして すぐに私の腕をひっぱり 私の顔をナギさんの胸に引き寄せた。


○○「ナギさん?」

どうしよう。ドキドキする…やっぱり私はナギさんの事諦めきれないかも…… 



ナギ「しずかに」

○○「?」

ナギ「…誰かいる」




そっと ナギさんと私は 角をのぞく



…………


「「「「わぁ!!!!!!」」」」








そこにいるのは 女の人二人…

じゃなくて ソウシさんとトワくん!?


○○「ど、どうしたんですか?その格好!」

ナギ「…」

トワ「わーびっくりした!○○さんとナギさん!お二人ともご無事だったんですね!よかったー!」

泣きそうなトワくん。

ソウシ「城に潜入するには、この格好の方が都合がいいと思ってね」

なぜか ウインクをしたソウシさん。

意外と…というか すっごい似合ってて、しかもなりきってる!

トワくんは 私が嫉妬しちゃうぐらいかわいいよ…


ソウシ「ナギが○○ちゃんを見つけたんだね。よかったよ。ところでシンは?」

ナギ「…俺たちを助けに来てくれたんですか?」

ソウシ「あたりまえだよ。仲間なんだから」

ソウシさんはにっこり微笑む。

ナギ「今からシンを探しに行くところだったんです。処刑されるとかで…」

トワ「あの強いシンさんが!?」

ソウシ「それじゃあ、急ごう!…牢屋は下かな?」

ナギ「オレもそう思って 階段を探していました」


ソウシ「ここまでの道は 覚えてるから… 階段はあっちだよ」



私達は ソウシさんに続いて廊下を走る。

3人が私を囲むように 走っていく。 

途中、所々に立っている兵士を 3人がどんどん倒しながら進む。

武器を持っていないトワくんは、途中で倒した兵士の剣をひろった。



トワくん…あまり豪快にあばれると スカートがひらひらして…女の私でもちょっとドキッとしちゃうよ…





階段にたどり着くと、下からたくさんの人の気配がした。


ソウシ「私たちも暴れたし、○○ちゃんも逃げ出したし…そろそろ城の兵士が本格的に動き出したみたいだね」


トワ「ソウシ先生、どうしましょうか」

ソウシ「ここはトワと私で食い止めるから、ナギは○○ちゃんを連れて、向こうにある非常階段から降りて、シンの元へ向かうんだ」

ナギ「わかりました」

ソウシ「トワ!準備はいいかい?」

トワ「はい!」

○○「ソウシさん!トワくん!」

ソウシ「大丈夫だよ。○○ちゃん、私達は強いから。後から追いかけるよ」

トワ「ここは任せてください!」

○○「ソウシさん、トワくん!ありがとうございます!」

ソウシ「ナギ。○○ちゃんを頼んだよ!絶対○○ちゃんの手を離さないようにね!」

ソウシさんは ナギさんに意味ありげな笑顔を送った。

ナギ「ドクター。ありがとうございます。○○、いくぞ」

○○「はい!」



ナギさんに 手をひかれ もとの道をもどることになった。







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あきゅろす。
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