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褪ロラ
10

 寝室は二階だと、アキくんに伴われて階段を上る。

 「あれ? ロヴィたちは……?」
 「あの二人は多分、下で交替して寝るんだと思う」
 「? なんで?」
 「なんでって……、”影”がまたいつ来るかわからないし」
 「あ、そうか」

 “影”がどうやって武器を持っている人間の居場所を突き止めるのかは知らないが、今日これから、今すぐに襲撃される可能性もあるのだろう。おまけに今夜は誰にも応援を頼めない。アキくんは一応部外者であるらしいし、僕は運動神経が悪い上に武器もあんなものだ。正味の戦力はあの二人だけである。頼もしくはあるが、同じくらい申し訳ない気持ちになった。

 「……部屋、たぶんそこ使っていいから。今日はもう寝た方がいいよ」
 「……あ、うん」
 「俺も寝るけど、何かわからないことある?」
 「ううん。ない……、かな」
 「そう」
 
 くるりと背を向けて、アキくんは僕とは逆の方向へ歩いていった。かと思えば、すぐに体半分だけ振り返って言った。

 「……トイレ、あそこだから」
 「……あ、うん。ありがとう」

 そう言われると、トイレに行きたいような気がしてきた。確かにトイレの場所がわからないのは困る。やっぱりアキくんはすごい。心のなかでもう一度、ありがとうと言っておいた。



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あきゅろす。
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