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中学生監禁日誌Var.Ri
03(柳/媚薬/空イキ/連続絶頂)


『――以上4名。さぁ、鍵は開けたから今度は、自分で入ってくれ』

これから何が待ち受けているのか。何も、分かりなどしなかった。
何も、予測できない。圧倒的にデータが足りない。
ただ深い絶望の中にいることくらいしかわからず、眩暈がした。
だが必ず誰かが俺に『大丈夫だ』と笑いかけてくれるだろう......。
そうでないなら、俺が笑ってやらねばなるまい。
アイツの言葉を信じるために。
正直……恐怖もあった。
背後で呼ばれる別の名前に酷く胸が痛んだが、振り返らずに紫のプレートの扉に手をかける。

「っ……!」

室内はくらくらするほどの甘い香りが満ちていた。
入ってきた扉を閉めれば勝手に錠が落ちる音がして急速に鼓動が早まる。
演出用のスモークみたいに肺に溜まるような重い空気が全身を包み、不意に冷たい空気が流れたかと思えば正面の扉が開いて迷彩服に黒の目だし帽を被った男が現れた。

「はぁ......っ」

呼吸が苦しい。どくどくと全身が脈打つような熱さに駆られて大きく息を吐けば男が俺を壁に押さえつける。

「飲め」

口に宛がわれたのは無色透明な液体の入ったボトルでどろりと僅かに粘り気を帯び舌に絡みつく液体が咥内に流れ込んでくる。
吐き出そうとすれば口ごと鼻を皮の手袋をした手でふさがれ呼吸を奪われた。
めまぐるしく体内の酸素は消費されていって肺がつぶれるような苦しさが襲うのを精神力だけで耐える。
男の手を退かそうと両手で爪を立て腕を掴むけれどビクともしない。
呼吸が出来ないままの抵抗。
指先が重く痺れていく。

「なかなか抵抗するじゃねぇか……だが、手に力がなくなってきたぜ?」

男の手を掴んだ両手から力が抜けていく。
始めから予想できた覆せぬ結末は確実に心――否精神を砕いていく。
ぼうっと白くなり始めた視界の中、砕かれた精神は呼吸を求め生を取った。
咥内の液体を飲み干して開放された口で大きく呼吸を繰り返せば肺に雪崩れ込む重い空気に一気に体力を削がれる感覚。
鈍る思考の中唯一身に纏っていた上着を剥ぎ取られたかと思えば手錠をかけられ床に引き倒される。
ひんやりと冷たい床に肩を強打しながら荒い呼吸のまま男を睨む。
しかし男はさも楽しげに目元をぐにゃりと歪ませて笑う。

「ッん......はぁ、はぁッ……く、ぅぁ」

「随分と苦しそうだなァ」

低く地を這う爬虫類のような瞳と声が俺を射抜いたかと思えば軍を思わせるブーツのような靴で腰を蹴られて床の上を体が滑る。
熱く脈打つ鼓動が送る血液が下腹部に集中して触れていないのに質量を増していた。
まるでサウナにでも押し込められているかのように体中が熱い。
呼吸するたびに肺の奥にまで居座るような重たい空気。

「楽しませてくれよ」

おぞましく悪魔が笑んだ。



―――
――




「ぁッああ!! っく、うぁ、あ......ッあ゙!」

全身の血管が全て心臓になったように狂い響く鼓動と駆け巡る快楽。
天井からぶら下がる鎖に手首と片足を吊り下げられ男の眼前に全てを晒す格好に、羞恥が身を焦がしたのはほんの一瞬だった。
まるで全身が性感帯になったみたいに敏感になった体を、男の手が手袋をしたまま撫でる。

「ンぅ......ぅあ゙、っはぁッあ、んぅッ!! ッふ、くぅ」

手袋の表面は滑り止めのためかざらざらしていてそれが肌を撫でるたびに痺れるような快楽が襲う。

「触って欲しいんだろ? そうだよなァ……こんなにガチガチにしてよぉ」

「くッ! さ、わ……さわ、るなッぅあ゙!!」

わざと自身には触れずに下腹部やふくらはぎを撫でる手。
背を這いずる快感と物足りない快楽に頭の中が可笑しくなりそうだ。
もどかしさが溢れかえって無意識に揺れる腰は本能的に快楽を求めている証拠。
認めたくなかった。全て夢だこんな事、まったくもって現実的じゃない。

「あッああ゙!! ヒ、ぐ......く、ぁ! ―――ッッ!!!!」

なのに。
ざらざらした手袋で気まぐれに鈴口を撫ぜられたせいで雷に撃たれたような激しい快楽の波に飲み込まれる。
呼吸さえもままならないほど痙攣する体。
勢いよくはじけた白濁が鳩尾のあたりまで飛んでどろりと白く自分の体を汚す。

「あ、ぁあ......ぁ......あ、あ、ぁァア……!!」

長い絶頂感がやまない。
だらだらと白濁を零しながらも俺自身は硬く張り詰めていて、思考もどろどろに溶かされていく。
男が目の前で嘲るように笑っていた。
目の前が白く霞んで僅かな空気の乱れさえも甘く狂おしいほどの快楽となって体内に沈む。
膝から力が抜けて崩れ落ちようにも頭上の鎖がそれを許さない。
ふと、頭の片隅で声が響いた。
俺を呼ぶ声。
守ってやらねば。赤也も、幸村も……みんな、守ってやらなければ。
途切れかけた精神力を繋ぐ声。

「まだ堕ちねぇのか」

「だれが......ッき、さま、なん、ぞに……ッ」

「おお怖い怖い。――なら、善がり狂わせてやるよ」

凛と男を睨めば男は肩を竦めて笑う。
けれども、男が取り出したものは俺の精神力を殺ぐには十分すぎた。

「ッきさ、ま......ッく!! はぁ、ッは、なせ……離せッ!!! ひ、ァ......あ、あ゙ぁあ゙!!!」

何かのコードのような細長い紐で自身の根元をキツく戒められ息が詰まると同時に暴れまわっていた熱がさらに暴走するような感覚に頭がくらくらする。
数回自身を扱かれただけで乾いた絶頂が襲って閉じた目の奥に白い爆発が響く。
それから男はゆらりとボトルに残った液体を揺らしてそれを俺自身にぶちまけた。
冷たい液体が敏感になった自身を伝う感覚でさえ脳幹を痺れさせるほどの快楽で身を捩って逃げようとしても捕らえられた体は簡単に男の手に捕まってしまう。
その上男の手袋の質感が肌を引っ掻いて腕や太ももにさえも甘い快楽が迸る。

「う、ぁ......つ、ァあ……――ッ!!!」

不意に地に付いているほうの足を持ち上げられたかと思えばその足を肩に担がれて全てを男に晒している体勢にされ、最早恐怖ともいえるほどの羞恥心に苛まれた。
ひくつく体の後方。かけられた液体で濡れた後部に男はチューブのようなものを押し当て、多分同じ液体を注ぎ込んだ。
冷たい液体が逆流する。
絶望感が襲って全ての感覚が麻痺したように現実味が失せた。

「イキたくて仕方ねぇんだろ?」

「ひぁッ!! あ、ぐ......あ、ぁ、ぁあッ!!! ぁッ――ッ!! ――ッ!!!」

一気に指を二本挿入されて痛いはずなのに感覚が麻痺していて僅かな異物感しか感じない。
悲鳴を殺した悲痛な叫びが喉の奥から発せられて体を捩ってその快楽から逃れようとしても叶わない。

「媚薬漬けで腰揺らしてよがり狂えよ」

男は冷たく呟いた。

「ひぃッ! ああぁ、ッ――!! あぁあ゙ッッ!!!」

乾いた絶頂へ何度も押し上げられてがくがくと全身が痙攣しても戒められた自身はどろりと先走りを零すだけ。
達するほどに渇く欲望に頭の中が破壊されていく......。
どうにか意識だけは繋ぎとめようと獣のように唸れば口の中に流れた雫の塩辛さに涙が溢れて頬を濡らしていると気付いた。

「くぁッ!! はぁ......ッく、ぅう!! うう、ぁッ!! ぐ、ああぁ゙ッ!!」

ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響く。
その音に聴覚さえ犯されているような感覚がして意識すればするほどどくん、と熱く脈打つ心臓。
不意に男がぐり、と内部の弱点を押し上げ、乾いた絶頂に再度飲み込まれて暗い部屋がチカチカと白く明滅する。
強く保っていたはずの精神はもうすでにぼろぼろだ。

「そろそろ限界か? 意識飛ばす前に"天国"を見せてやるよ」

「ぁあっ!! あぁっ、や!! やめろっ、ひッ! ―――ッぁああ゙あ゙ぁあ゙ッッ!!」

「ッきっつ......」

内部を蹂躙していた指が引き抜かれたと思えば指よりも質量のある熱い欲望をつきたてられて背骨を伝って脳が甘く痺れる。

「――ッ! ――――ッッ!! はぁッ......カ、ぁあ゙…ッ!」

最早声すらも掠れて出てこない。
肌と肌のぶつかり合う音。
ぼんやりとした意識の中で、この光景をみんな見ているのだろうか。と暗い部屋に視線を泳がせた。
他の部屋に入った奴は......。
必死に思考を逸らそうとするが受け止めきれない快楽に全て粉々にされる。
イキたい。終わらせたい。
不意にそんな欲望が生まれる。
一度そう思ってしまったら渇望は募るばかりだ。

「ッあぁ――イ、きた……ッぐぁ!!! はぁッ、あ、あ、あぁ、あ......ァアッ!!!」

揺さぶられるがまま腰を揺らして絶頂をねだる。
心の奥底でどんなに否定したって体は勝手に快楽を貪っている。

「天国の扉は見えたか? 見えてねぇなら――……見せてやるぜ」

そういって男は俺自身を戒めていた紐を解いた。
背筋を駆け上る快楽は膨大な刺激に膨れ上がって腰を砕き脳幹を揺さぶる。
何が起きているのかわからない。激流に呑み込まれたような息もできない快楽に押しつぶされていた。
ずっと堰き止められていた絶頂は長く、止まらない。
だらだらと吐き出しているときでさえ男は腰を撃ちつけていて絶頂に絶頂が重なる悪循環に引きずり込まれた。

「あ......あ......あッ――あ、は、ぁ……ッぁあ......」

何度も何度も欲望のままに揺さぶられる。
絶え間ない絶頂感に霞んだ視界の中で走馬灯のようによみがえる言葉。

「ッ中に、出すぜ」

散々喘いで掠れた喉。
内部に広がる男の欲に気持ち悪さを感じながら徐々に暗くなる視界。
これ以上目を開けているのは億劫だった。
ヴツン。とテレビが切れるように意識が途切れ、闇の中に放り込まれる。





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あきゅろす。
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