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お題小説
02:甘いものは好き?これ、チョコ…(リョ幸/誘い受)


今日はなんだか街が浮かれてる日
俗に言うバレンタイン。だ
そんなイベントこれっぽっちの興味もないけれど、気になることはある
俺の手には暗い色でラッピングされたチョコ
部活も終って外は真っ暗

こんな時間に、迷惑かな

だけど、いかずにはいられない
一番先に部室を出てまずは家に電話を入れた
それからバスに飛び乗って彼の元へ向かう

「いらっしゃい。よく来たね」

「ども」

ちらつく雪が街灯に照らされキラキラしてて
目的の家の前に人影
街灯に照らされて雪まみれの青髪が光っていた
こんな寒い中彼は待っていたのだろうか?
そう思うとなんだか申し訳ない気もした

「寒かったろう。部屋、暖めてあるから」

「…てっきり」

「ん?」

俺の手を取った幸村さんの手の方が冷たいのに

「怒るか困るかするかと思った」

こんな時間に一方的にメールだけで家を訪ねて
だけど彼は俺の手を引く
寒そうに赤らめた頬を歪ませて笑う

「困ったさ。部屋片付けてないし来ると思わなかったから何も用意してないし」

彼はワザとらしく頬を膨らませる
俺の手を掴むその手を掴む
冷たい手
じわり
体温が戻ってきてなじむ

「でも、ありがとう。ボウヤ」

「ぅわっ…ちょ、子供扱いしないでくれる?」

「ふふ。ごめんごめん」

頭を撫でられて思わずその手を払いのける
そのときに感じた胸の痛みは何だろう

ぎゅうとカバンを握り締める








「ココアでよかったかな」

「どもっス」

目の前におかれたマグカップから立ち込める甘い香り
ふとカバンの中のチョコの存在を思い出す

「幸村さん、チョコ平気っスか?」

「え?あぁ、まぁ好きだよ」

「そ。ならよかった。…これ」

そういって暗い色でラッピングされたチョコを差し出した

「ありがとう」

俺はこの人の笑顔が好きだ
花のようにふんわりと笑う表情が
コート上とはまるで別人

「…食べてもいいかな」

「いいッスけど」

しゅる、とリボンが解け机の上に落ちた
暗い色のチョコが彼の咥内に消える。
覗いた赤い舌。心臓がチリリと痛くなって俺はただ幸村さんを眺めてた
俺は幸村さんが好きで、幸村さんも俺が好きで、
だから今こうやって会ってるのに。
俺と彼の間には何かがある。
一線は越えたハズなのに…、消えない何か

「ん。おいしい」

けれど
その笑顔が見れるなら、いいのかな

「そりゃよかった」

「まさか、君がくれるとは思わなかったよ」

「向こうじゃ男から渡すのがフツーだから」

もっともチョコに限ったことではないのだけれど
なんというか、もっと自由なイベントだったと思う
ココアの甘みを感じながら幸村さんを眺める。もどかしく、喉にカカオが絡んで胸がもやもやする

「越前、明日部活朝練あるの?」

「え?あぁ…あるっスよ」

突然尋ねられて一度言葉に詰まる

「そっかならさ」

交わった視線が俺を射抜く。
その瞳の奥仄暗く揺らめく焔に違和感を感じて思わず息を呑んだ
幸村さんが立ち上がって俺の隣に座った
3cmあと、もう少しで...

「手塚には俺から言っておくから」

俺以外の名に胸が締め付けられるような感覚
けれどそれは交わる唇に奪われた

「ん…ふっ……ん、ぅ」

猫のようだと思った
交わった舌に見つけた苦いブランデーの味
もしかして?
そう思って俺は舌を絡めたまま手探りでチョコの箱を取る
息継ぎの合間に裏の成分表を見ればやっぱり"ブランデー"の文字
まさかこんな量で酔うとは思わなかったけれど、それよりも酔った彼の豹変ぶりに少なからず驚いた

「ねぇ、ボウヤ...キス、しようよ」

少し熱を帯び赤い頬。熟れたイチゴのような舌が淫らに俺を誘う

「そのボウヤってのやめてよね」

「ふふっ…リョーマ?」

「ん。それでいいっス」

唇を重ねればすぐに求め合う舌
角度を変えて何度でも、深く口付けた
呼吸さえ奪うように

「ベッド、行きます?」

「ん。抱っこ」

「無理ッスよ」

「ゔー…」

でかいベッドに2人して雪崩れ込んでまたキスをした
横たわったまま伸びる指がお互いの服を脱がせて行く

「りょーま」

「何」

「好きだよ」

反則だ。そんなの…。
俺の中の何かがぐるぐる渦巻いて叫びを上げる心臓がギリギリ痛くてもっともっと体温を感じたくて服の肌蹴た肉の薄い胸板に手をやる
マグカップの熱を吸った掌は熱くて、その白い胸は雪のように冷たく感じた
触れるたびにひく、ひく、と震える胸

「ふ…ん……はぁ、ぁ…ぅ」

「寒い?」

「んっ……ちょ、っと」

「すぐ熱くなるっスよ」

「っふ、ぁん…ぁ」

どうしようもなく燻る熱。振り払うようにその薄い胸に吸い付いた
紅のキズをいくつもつけて

「ふぁ、ぁッ…りょ、ま…ぁ」

寒さかツンと存在を主張する胸の頂に舌を這わせればぴくんと震える腰
腕が伸びてきて俺を捕まえる。そして抱き締める様に胸に頭を押し付けられる
呼吸だけ確保しながら胸への愛撫を激しくする
頭上漏れる嬌声に俺の中の幼い欲望を豹変させて、心臓の鼓動が早まった。薄い胸板の奥の彼の心臓も早鐘を打っていた
行き場を求める手を下へ伸ばす
ズボンの上からでも分かるくらい幸村さんのソコは張り詰めていて、思わず口角が上がるのを抑えられない
ゆっくりとズボンの中に手を侵入させる
熱っぽい息が頭上から聞こえてて背に回った手に力が込められる

「っく、ぅん…は、ぁ…ぁ、も……ほし、ぃッ」

「…妙に素直っスね」

ズボンをずり下げて直接彼自身を握りこめば悩ましい喘ぎ声が零れた

「んぁ、ひぅぁ、ぁぁ…っん、ぁ、ぁ」

扱く指にあわせて零れる声
見詰め合う瞳はいつの間にか水分を含んでて、3秒見詰め合えば交わる

「んぅぅ、ぅ…ふ…ぅん……ん、ん、ん゙ぅぅ――ッッ!!!」

「く、ん…ッはぁ、は…ッ」

一瞬幸村さんの体が強張ったかと思えばすぐに体を跳ねさせて絶頂に達し熱い精を俺の手に吐き出した
唇を離せば舌と舌を繋ぐ銀糸。ぷつりと切れて見詰め合う瞳と瞳
ぐったりとベッドに沈んだ幸村さんは恍惚そうな表情を浮かべて艶かしい濡れた唇を動かし『もっと』と言葉をなぞる
俺の中の何かが壊される
一度触れるだけのキスをして吐き出された精に濡れた指を彼の後部に押し込んだ
固く閉ざされたソコは熱くうねって俺の指を誘う

「ぁ、ぅん…っはぁ、りょ…まぁぁ、っ…ぅ」

「ねぇもっと力抜いてくれない?」

「ん…ぁ!むりぃッ…んんッ」

必死に息を吐き出す幸村さんの表情は苦しそうで俺の背に回された手に力が込められる
ぎ、と立てられた爪が背に食い込んで痛い
どうにか気を紛らわそうと胸に頭をうずめ赤く存在を主張する粒を口に含む

「ふぁあ、ぁっ!!」

全身から力が抜けた瞬間を見計らって一気に指を奥まで挿入する
ぐにぐにと内壁をすりあげ解すように内部を広げる

「んぅ、ぅ…ぅぁ、あぁっ…は、く…ぅ」

「凄い熱いっスね…幸村さんのココ」

胸元でそういってやれば腹筋がふるりと震えて、頭上見上げれば熱に浮かされ潤んだ瞳が何か言いたげに俺を見つめてる

「ねぇ…俺もう限界なんスけど」

胸の頂を甘咬みしながらそういえば、きゅん、と彼のナカの指が締めつけられて
それはきっと肯定。ずるり、指を抜けば悩ましく色を含んだ声が零れる
ゆっくりと体を起こして幸村さんの足を掴む

「あ、ぅ…りょ、まぁ……は、やく…ッ」

「言われなくとも」

「っんぁあ!!っは、ぁ…ぐ、ぅぅ…はぁっ」

誘うように俺に伸ばされる手を取ってその甲にキスを。
腰を持ち上げてゆっくり俺自身を挿入する
熱くうねる肉が俺自身を包み込んでぎゅうぎゅう締め付けてくる感覚に体の芯が震えた
意識ごと持っていかれそうな感覚
喉と背を反らして苦しそうに喘ぐ幸村さんの白い肌が綺麗だと思った
一瞬の美。まるで雪のように白く…

「っぁ、うぅぁ、あ…っふぁ、ん…ぅ、ぅう」

「え、ちょ…」

突然糸が切れたように幸村さんは涙を零し始めたから驚いた
声を押し殺して泣く姿は先ほどまでの彼とはまるで別人で

「どうしたんスか…」

「りょ、ま…ぁ」

「なんスか」

「っふ、ぅ…ぇ、ぅ…っん、ふ…ぇんッ」

伸ばされた手は俺を求めてるようでその手を掴むとぐん、と引かれてバランスを崩す
瞬間結合部が、ぐぷと卑猥な音をさせて幸村さんが一際甲高い声で喘いだ
突然の締め付けに形容しがたい快感が俺の中を走る

「好き、好き…りょ、まぁ…」

「俺も好きっスよ」

「ホ、ント?」

どっちが年上だか分からなくなる

「嘘だったらこんなことしない」

「んぁ、ぁ…ふ、りょ、うまぁ…」

彼は泣いた溜め込んでた何かを吐き出すように俺の名前を呼びながら
きっと、俺の分も泣いてるんだと思う
不安で不安でしょうがないから
許されない愛の確認が、こんなことでしかないから。
好き同士なのに、今日という日であっても、俺たちの関係は誰にも認められなくて不安になるから...
お互いに目をそらさないように、求め合う

「ふぁ、あも、っと…もっ…とぉ、」

「わがまま」

「ぅんぁあ!あ、ふぁ…ァあ!あぅ…ひゅ、ン!!」

獣のように求めあう
ぐずぐずに蕩けた結合部から響く水音だけが俺らを認めてる
そんな錯覚に陥りながら絶頂に昇り詰めて行く

「ひ、ぅぁあ、んっ…も、…ぁ、イ、クぅ…!」

「おれも…ッ」

見詰め合う瞳と瞳。
絡めた舌には甘いチョコと苦いブランデーの味が乗った

「ひ、ぅんんぁあ――ッッ!!!!」

「っんぁ…」

寸前で俺は自身を抜いて幸村さんの白い腹に白濁を吐き出した
体が鉛のように重くてベッドに倒れこむ
幸村さんも肩で息をしながらベッドに沈んでて、同じ位置の目線が交わる
伸びた手が俺の髪を撫でて、その口許には笑み

「ありがとう」

俺は素直にその言葉が鸚鵡返しに出来なくて息を詰まらせた
変わりに、彼の白い胸に浮かぶ紅のキズ――所有印を指でなぞって

「俺のモンっスから」

と。
幸村さんは一瞬ハトが豆鉄砲食らったような表情をしてから怒るでもなくただ微笑んだ
嗚呼やっぱり俺、この人の笑顔が好きだ
額とくっつけて笑い会う

「ボウヤらしいね」

ホワイトデー期待しておいて。
2人にだけ聞こえるように幸村さんが小さい声でそう囁いた





甘いものは好き?これ、チョコ…
(それにしても幸村さん酒弱いなんて初耳っス)
(未成年だからしかたないだろ)
(だからってあれくらいで)
(…演技だよ)
(はいはい)










 あとがき

どうも管理人です
2月お題小説2つ目です

なんというか…山も落ちもないですね
欧米じゃバレンタインは男性から女性に、とかチョコじゃなくてカードとか色々あって自由っぽかったです←
ほら、リョーマ君帰国子女だし?

本当は幸村もチョコ渡すシーンがあったりしたんですが、長くなるのでカットしました
受けな幸村は酒弱いといい
攻めだったらめちゃくちゃ強いといい
そして酔ったらキス魔か絡んでくるタイプだといいなーっと思いつつ泣き上戸もなかなか…と思った結果がこれです
中途半端ですね
やっぱり二兎追うものは一兎をも得ず…正しいです;;;

リョマをもっと男前攻めにしたかった…。
いつかリベンジします。リョ幸。




アンケート結果は以下の通りでした

3位:リョ幸
投票:27票

投票してくださった全ての方々、本当にありがとうございました


それでは最後まで読んでくださりありがとうございました



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