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お題小説
05:黒色の闇に溶け込む(白幸/フェラ/野外)


暗いくらい闇の中
どこまでも堕ちていく
もう戻れないよ。このまま俺たちは光に背を向けてく

「平気か?」

逃げ込んだ路地裏。けれども完全な闇じゃない

「当たり前だろ?」

つないだ手を硬く握れば伝わるぬくもり
ここに在ると唯一無条件に信じられるもの

「…怖いんか?」

「まさか。…逃げてきちゃったなって」

「せやなぁ」

時刻はすでに日付が変わって2時間くらい経っている。
きらびやかなネオンの通りを抜けてひっそりと路地裏で息を殺す
夜の街へくりだすなんて。
だけどどうせ認められやしない。
それなら逃げたってかまわないじゃないか

「…白石」

目を閉じてキスをした。
俺の腰を彼の手が抱き寄せる

「ねぇ…君は、大人になりたい?」

「別にならんでもええよ。このまま…このままがええわ」

白石の頬をなぞる手は小さくて、まだ何も掴めやしない
再度重なった唇。
今度は深くて甘いキスをする
背伸びをした大人のキスはやっぱり慣れなくて、もつれるように舌を絡み合わせるだけ

「んっ…は、ぁ」

甘く腰がしびれた

「キスだけで足震えとるやん」

「ッ…うるさ...んン!」

するりと伸びてきた手が俺のベルトを緩めて落とす
片方だけ足を抜いて誘うように腰を揺らせば白石が息を呑んだのがわかった

「えろい子や」

「ぁッン…君に、ッいわれたく...ないね」

「はは。酷いわ」

そっと俺の前に傅いた白石が両手で俺自身をそっと包み込んだ
カシャンとフェンスにもたれかかって少しだけ腰を突き出す
上目遣いの白石と目が合って、そのミルクティー色をした髪をなでてやればうす桃の唇で俺自身の先端を食んだ

「んッ...ァあ……」

ねっとりと熱い舌が俺自身を包み込んで愛撫する
ぞくぞくと背を駆け上がってくる快楽に、溺れそうだ

「はぁ...ッしら、っしぃ…ッふ、ァん…!」

指で扱きながら先端を吸い上げられて腰が砕けたみたいに力が入らない
フェンスの輪っかに指を絡ませて体を支えているのがやっと
指が痛い
でもそれ以上に気持ちよくて息がうまくできない

「んむ...ッは…後ろもほぐしたるわ。脚開いて」

「ふ…くぅ!...はぁ。んッ」

カクカクとひざが笑っている。引きずるように足を少し開けば自身を扱いていた白石の手が退いて
ポケットから取り出したローションの小さなボトルを器用に片手であけてた
一度俺自身の先端にキスをして、白石がローションを手にたらす

「冷たかったら堪忍な」

それを後部に塗りこむように指を挿入されて腹筋が震えた

「ぁん.....ッ、ねぇ…」

「何や?」

「暗くて...顔、見えないよ…」

嘘。
完全な闇なんてここにはない
一瞬困ったような表情をした白石がにやりと怪しく笑う

「キスしてほしいんなら正直に言いや」

「ん...ッ」

触れるだけのキス。視線を交えれば大人ごっこに本気の欲望が宿る

「好きって、言って?」

白石の瞳は吸い込まれそうなほど暗く闇を移してその中に俺がいた
闇の中に一人
瞳の黒真珠に話しかければその黒真珠の瞳を細めて白石は笑って俺の髪を指で梳く

「好きやで幸村君。好きや…」

「ぁンく...ふぁ!」

「幸村君となら、どこにだって行けそうな気ぃするわ」

くちゅくちゅと水音を立てながら白石が後部をかき混ぜる
蠢く指の感覚は慣れなくて逃げるように腰を揺らしたって内部の指から逃れることはできなくて

「ッぁあ...ならッン!い、こーよ」

誰も知らない場所へ

「し..らい、しぃッ…んぁッぁあ!!」

「ん…我慢せんでもええよ」

再び白石は俺自身に舌を這わせて。
前後からの刺激に逃げ場を失う
まるで追い立てられる獲物のように絶頂へと登りつめるだけ
体が無意識に跳ねてそのたびにフェンスがガシャガシャとうるさくてでも気持ちよくて

「ひぁぁ...やッも……イク、ぅッ!!!」

ちゅ、と先端を吸われて貫くような快楽に襲われた
多幸感に包まれながら白濁を吐き出せば白石は数回に分けてそれを飲み込む

「いっぱいでたな」

「んゃぁ...ッ!あふ…しら…いし…」

「…俺のもほしい?」

手足から力が抜けてずるずると崩れる体を白石は支えて耳元で低く囁かれる
ぞくりと背に冷たい快楽が走って条件反射のように俺は頷いていた
触れるだけの苦いキス。
片足が持ち上げられて内部を蠢いていた指が引き抜かれた

「ちょっと待っとって」

「ん...しら…し、俺…やるよ」

ポケットから取り出したのはコンドームで、袋から出したそれを半ば奪うようにとる

「…ほな、着けて」

ぐらりと首を動かして俯けば前髪の付け根にキスが降ってきてくすぐったい
たどたどしい手つきでするするとゴムをつけた

「おおきに…ほな、力抜いとってな」

「んんッくぅぅ...ぁぁ、ぁあぁッ!!!」

フェンスに背を押し付けるように挿入されれば重力もあって最奥まで穿たれる
熱い楔に内部を割り開かれればその奥で息を殺していたしこりに切っ先がキスをして
びりびりとした快楽が走る

「もう我慢できひんわ…堪忍な」

腰を捕まれて激しく打ち付けられれば目の前の世界がブレた

「ぁあッ!!あひゃぅ…くぅ、ぁぁぁあっ!く、ぅは…げひッんァァ!!」

「愛しとる…ほかには何もいらん」

ぐちゅぐちゅと路地裏の狭い壁に水音が反響して響く
その音に聴覚さえ犯されながら内部の彼自身を感じて体が熱くなる
迷いすぎた答えを見つけるのは至極簡単で。
闇を映す瞳の奥の感情はお互いに変わらないのだから

「んぁあッひゃンん!!...ぁ、やぁそこ…ふぁ!だめ…ぇッ」

ぐりぐりとしこりを集中的に押し上げられて背を受け止めきれない快楽が流れる
無意識に白石の服を握り締めて喘ぐ
求めて、求めて、その熱がほしくて、ただ求めた

「連れ出したるわ...誰も知らん場所に」

「ぁあッふ...うんッ!あ、ぁッい…いよ...ッぁぁあそこ、やぁッって...ひぁン!!」

「好きや」

がつがつと内部を深くえぐられて目の前がチカチカし始めて
昇り詰める
白石自身もびくびくと脈打っていて限界が近そうだった
絡む視線、ねだるキス。重ねる唇に乗せた好きという言葉

「んッぁぁイク...ふ、ァァぁあ―――ッッ!!!」

「く...ッう!」

視界が真っ白に弾けた
触れる手のひらの熱さを失いたくなくて離れないように握り締めて快楽の余韻に溺れる
つながったまま見上げた狭い空には消えそうな三日月が光ってて
その月もすぐに雲と重なって消えた
俺たちも夜の不完全な闇に溶けて消える




黒色の闇に溶け込む
(誰も知らない場所へ行こう)
(そこには何もあらへん)
(あるのは、)
(限りない欲望だけや)









  あとがき

どうも管理人です
8月のお題小説5作目です

大分ギリギリになってしまいました
結局何がしたいのか途中でわからなくなりました…

相思相愛な2人はやっぱり書きやすいです
なんかもっとこう…大人の真似事してます感が出せればよかったかなぁと思いつつ
そんな余裕なかったです書いてて
いろいろやりたいことはあったのですが…




アンケート結果は以下の通りでした

3位:白幸
投票:67票

コメントを下さった 皆様 ありがとうございました
そして投票してくださった全ての方々、本当にありがとうございました


それでは最後まで読んでくださりありがとうございました


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