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お題小説
03:散らばる欠片を拾い集めて(白幸/ノンケ受/玩具/目隠し/拘束)

「嫌いだよ」

何かが砕ける音がした
あぁ割れちゃった
キミを好きでいた心が脆くはかなく砕けてった
繰り返してもう何度?



「仁王クンに聞いたで。また彼女さんフったんやってな」

「うん」

「ホンマ、可哀相やな」

彼がこっちにいるのは珍しい
けれどそれが何ってワケじゃなくて、俺に会いにきたってコトの意味が分からないだけ

「嫌いになったんか?」

「わかんない。でも、あの程度で壊れるくらいならいらないって思った」

俺の心の中は砕けた破片で一杯だ
どれも全部砕けてしまった
砕けないくらいの恋がしたいだなんでご都合主義もいいところだね
俺が求めるものは存在しないのかもしれない
それならこの散らばった破片を全て集めてゴミ箱にでも捨ててやりたい

「永久に冷めん愛が欲しい、っちゅーことか」

「そんな綺麗なモンじゃないよ白石。でも、間違っても無いかもね」

「せやったらちょうどええわ」

ガタン、と何か物音がしたかと思えば見慣れた自分の部屋の天井が視界に入って
その天井との間に陰を落とした白石

「…何」

俺そういう趣味はないんだけど。
そう言うと白石は一瞬だけ困ったように笑った
ご丁寧に手首は両方とも床に縫いつけられていて
身動きが取れない

「教えたるわ。本当の絶頂(エクスタシー)ってやつを」

「笑えない冗談だね」

けれどスリルにあてられた心臓は愉しそうに踊りだす
冷たい瞳が俺を射抜いて殺す

「言っとき」

半ば無理やり重ねられた唇
嫌悪感だって極上のスリルの前じゃチリみたいに消えた
どうせこれっきりだ
それならば白石の意にそってやろうじゃないか
流れに身を任すだけ。余計な抵抗なんて疲れるだけだ

「ん...ッ…!」

ぬる...僅かな隙間からまるで別の生物みたいに白石の舌が侵入してくる
くちゅくちゅと攪拌され俺の咥内は柔い舌の戦場みたいになってて絡んでしまえばそのまま蕩けそうになる
深いキスは知っていた
けれど、こんなにも獰猛なキスは初めてだ

「ッぅ...ぅぁ…ッんむ!ん...ッ」

段々と酸素が足りなくなってきて肺が潰れそうなほど苦しい
弱く暴れたって身動きは封じられてて

「っはぁ…余裕そうにしとったけど、大したことないな」

「…う、るさ…ッはぁ」

「ええ目や」

まるで絶息潜水した後みたいに体がだるくて指先を動かすのさえ億劫だ
白石は妖艶な笑みを浮かべて俺の服を脱がしてて
ふいに白石が何か探すみたいに別の方を見て俺の上から退いた
起き上がる気力も無かったんだと思う
もうどうにでもなればいいよ
俺の心の中は砕けた欠片で一杯なんだ
足の踏み場も無いくらい、ね

「手ぇ出しや」

「…動かない」

「なんや意外と耐久低いんか?」

「男とヤる趣味ないから」

両手を胸の前で一つにされてスポーツタオルで縛られる
彼の行為の意味がよく分からない
縛るんならもっとちゃんとすればいいのに。なんて

「その割りに落ち着いとるやん」

単なる暇つぶしだ。
そう言えば白石は笑みを深めて指先で肌をなぞった

「ッ…!」

「感じるん?」

触れるか触れないかのぎりぎりのライン
くすぐったいような感覚が迸って背中を震わせる
へそ周りや脇腹と滑るように撫でられて全身が総毛立つみたいにざわざわして
息が鼻から抜ける
それがなんだか恥ずかしくて頬が熱い

「ちが...っぁ」

「その割にはエロい顔してんで自分。鏡みしたろか」

「ッう、るさ…っくぅ!」

不意にぐり、と胸の頂を抓られびりびりとした痛みが走る
白石は愉しそうにそこを嬲りだす

「ッうぁ...やめ…ぅ!ぁ...ッ」

「ほら、声漏れとるで?ホントは感じとるんやろ」

キッと白石を睨みつければ爪でぷっくりと赤くなったそこを弾かれて咄嗟に俺は手首を縛るタオルを噛んで息を殺した

「認めたほうが楽やで?」

額にキスが落される
そんなことできるわけない
どうにでもなれとは思ったけど自分から求めようとは思ってない

「誰が...!」

「そう言うと思ったわ」

「っぁ、なにす...ッんン!!」

白石はポケットから新品の包帯を取り出してぐるぐると俺の視覚を奪っていく
人は視覚に頼っている生き物だから、急に不安感が募る
ぎゅう、と拳を握り締めれば白石が笑ってるのに気づいて俺は口を噤んだ
君の思惑通りには行かないよ
それでもそれは虚勢にしかならない

「ふぁッ...!?」

不意に白石の手がズボン越しに俺自身に触れる
一気に体が発熱して逃げるように体を捩ってもどこに逃げたって彼の手は追いかけてきて

「可愛え声しとんなァ…自分」

「ッう、るさ…っひぁ!あぁッやめ...!」

つつつ...と茎をなぞられ先頭を指先で引っかかれれば背がひくんと震えた
羞恥で死にそうだ
それと同時に酷く心臓が高鳴っている
散らばった欠片がまるでまきびしのように俺に突き刺さるのにそれでも俺は求めていた
妖しく光る毒の欠片を...

「しっかり反応しとるやん」

カチャカチャとベルトが外される音がして外気がズボンの中へ入ってくる
白石の手がじかに俺自身に触れてぎゅうぎゅうと握り締められそのたびに快楽が迸って脳を犯す
自制できない快楽は酷く強くて呼吸が勝手に乱れ殺しきれない喘ぎ声が漏れた

「せや、ええもんがあったわ。ちょっと待っとってや」

「ぁ...やだ…ッしら、いし…ッ」

視界は包帯のせいで白いけれどそこに見えていた影が消える
タオルで縛られたままの手を伸ばした

「やだ...い、かないで…し..ら、いしぃ...」

何も見えない世界に一人置いていかれる錯覚をして急に心細くなる

「…余裕なさそうやな。ソレ、自分でとれるやろ?」

「え...?」

「せやから、目隠しもタオルも自分で外せるはずや。怖いんなら外してもええんやで?」

確かに手首は胸の前で縛られてるから目隠しを外すことが出来る
タオルだってそんなにきつく縛られてないから口でも使えば簡単に解けるだろう
それなら俺はどうして…?

「まぁええわ。一回イかせたるわ」

きゅ、と自身が握られる
何故?嫌な予感が背を這って敏感になった神経を焦がす
ふいに、何か冷たいものが先端に宛がわれる
硬いそれを白石は何度か俺自身の先端に擦り付けて止めた
自身は相変わらず握られてて
カチッ、となにかスイッチを入れる音が聞こえた
刹那

「ッひぃあぁぁあ!!?!」

「んー…ええ声」

ヴヴヴヴヴヴ…と羽音のような音が響いて先端に宛がわれたソレが震えだす

「んひぃああぁ!やっふ、そ…とめ、てぇッはぁあッぁぅン!ああぁッ」

突き抜ける快楽
身を捩っても自身が握りこまれてるせいで開放されない
嘘だ…だって、こんな...!
毒の欠片を 俺は手にしてしまった

「ぁあだめ...ッイク…ッひぁで、る…ぅぅぁ!しらッやぇも...やァ!でッ、でちゃぁあッ」

「ええよ」

甘く耳元で囁く声にずくん。と熱く昂った自身からせりあがる快楽

「っひぃぁ!ああだめッだめイっちゃ...ッン!ひッぁぁああッ!!!!!」

びゅく...腹筋を痙攣させて四肢が震えた
硬直した体を満遍なく快楽が蹂躙して突き抜けていく
ぐったりと硬直のとけた体は床に横たわりはぁはぁと荒く呼吸を繰り返す

「いっぱいでたな...これ、気に入ったんか?」

「っは...んなわけ…ッぅぁ!」

「幸村クンならそう言うと思ったわ。でもまだ本当の絶頂(エクスタシー)には届いてへんから、ちょうどええわ」

何だって?
これだけ疲労を伴う絶頂を感じたというのにまだ終らないなんて...
浅い絶望に浸ってれば白石は俺の白濁を被って濡れた玩具を後部に押し付けてきて、一瞬でその先の行為を察した
否定したい
こんなの嘘だって。
でも、どうして?
スリルを感じて期待してる俺がいる

「一気にいくで?気ぃしっかり保っときや」

「ぁッひ、だめ…ッんぁあ゙!!」

小さなそれは震えながら固く閉ざしたそこに入り込んできて
入り口で震える腰が砕かれてるみたいにガクガク震えてて、おかしいな、俺はいつも壊すほうだったのに...

「流石にきっついなぁ…力抜かんと苦しいままやで?」

耳元で直接囁かれて全身の力が抜けそうになる
今まで壊してきた恋する心を全てかき集めても足りないくらい、毒は淫靡で魅力的だと思った
どうしようもないくらい欲望は正直に求める

「ッひぁ、ぁ…ぁぐッやめ...はいら、なッんぁ!!!」

「きっつ...」

「ぅ゙ぁ...っひ、ぁ、ぁあや…うごッやぁあ゙ッ」

玩具の蠢く後部に白石の指が侵入してきて内部を解しながら奥へ奥へと進んでくる
ぎちぎちと壊れそうなそこは無理矢理広げられて痛みが迸ってて涙が浮かんでは包帯に吸収されてく

「もーちょい我慢してな」

玩具を奥へやりながら白石は何かを探すみたいに内部を引っ掻いている

「ッふ…ぁ...ッひん!」

「ここか?」

内部の一点を指の腹でぐりぐりと押され奇妙な感覚が走る
ぞく、ぞくと湧き立つ快感
本能的にそこは駄目だと思った

「ぁッやめ…そこッやめ...ッんぁ!」

「ええんやろ?ほら、こっちもこんなんなっとるで?」

「ッちが...ッんぁ!」

自身を握りこまれて背がしなって腰が浮く
はくはくと震える唇が何かを求めてて、タオルに噛み付いては快楽を逃がすように首を振った

「想像以上や…えっろ...」

白石は額に口付けて内部を擦っていた指を抜いた
奥へ入った玩具は相変わらず微弱に震えてる
オオカミのようにタオルに喰らいついていればタオルは解け手を開放した
そのタオルを白石はどこかへ放って

「堪忍な、我慢できへんわ」

「はッ…ひ、ぐ!ぁ、ぁあぁッひ、ぎぃッ!!」

「ッく...ぅ」

カチャカチャと金具の音がしたかと思えば何か熱いものが俄かに解された後部に押し当てられてて
ぞく...背中を冷たい何かが走った
ぐぐぐと熱く太いソレが入り口を抉じ開ける
自由になった手はロクに抵抗も出来ぬまま襲い来る刺激に拳を握り締めた
浮きっぱなしの腰を掴まれ奥へ奥へと...
不意に取り残された玩具が激しく震えだして声にならない悲鳴が迸る

「んひぃぁアッ!あぐッひ、ぃぁぁあッ!!やッ、ぬいて…ひぅく、るし…ッぁあ゙!」

先端の太い部分だけ呑み込んで俺の体は限界を訴える
体は情けないほどガクガク震えてた

「大丈夫や力...ッ抜き?幸村クン…ほら、ええ子や...ッ」

「あ...ぁぁ......ぁ、ぁぁあ...ッ」

自身を扱かれ気が散漫とする
力の抜けた後部にじりじりと埋まっていく白石の熱い楔
その切っ先が玩具をより奥へと押し込んでは道の快楽に溺れた

「ァぁッふぁッぁあッんく!ひ、ぅぅうぁあッ!!」

肌と肌のぶつかる音が響く
かき集めた理性はすぐに散りばめられる
砕かれる
壊される
崩される
欲望に飲み込まれていく...

「ひぃぁぁんッ!!?」

不意に先ほど奇妙な感覚が迸った一点を白石が思い切り扱き上げて思わず悲鳴染みた嬌声が零れた

「ええやろココ。もっと突いたるわ」

「ッひぃぁぁ!やめッそこ...ばっかぁあッひぃン!!あぁや...おかしッなるぅう!!」

感じたことの無い快楽
耐えることなんか出来なくて頭のナカを真っ白の塗りつぶされる
じわじわとそれでも性急に絶頂に追い込まれてく

「ッぃあ!も...イくぅ!やぁッはぅ...ぁぁあイク、イクぅッ!!んゃぁッやめ...ッ」

「俺も限界や...一緒にイこな」

究極の絶頂(エクスタシー)へ

「んひぃぁぁあッや、だぇッんくぁぁあ゙――ッ!!」

ガリガリと内部を削られて最奥では震える玩具が壁を叩いて喉を仰け反らせて果てた

「ッう!!」

気がイク直前、白石は俺の中から楔を引き抜いて俺の腹に白濁を放った
2人分の白濁が腹を汚して垂れていく
ピクピクと体は余韻に震えていて
甘く淫靡な毒に犯されて絶命寸前みたいだ

「どや?」

「っはぁ...は…さ、い…あくッ」

俺は億劫なカラダと四肢を床に投げ出して溜息を吐いた
しゅるしゅると目隠しの包帯を取りながら白石は苦笑を零していて

「ヨさそうにしとったやん」

ああコレはヤバイ

「ばーか...しょうがない、だろ」

「ん?なんて」

「うるさいよ白石、いい加減にして」

溺れてしまいそうだ
こんなはずじゃなかったのにな
散らばる数多の欠片をかき集めても、君の一欠片の毒には及ばない

「可愛え照れ隠しやな」

「…最悪」

求めても、いいのだろうか?

「でも、悪くはなかった…かな」

散らばった過去の欠片は全て捨てたよ
今はただ、この毒の一欠片でいいからさ




散らばる欠片を拾い集めて
(せやったらもう一回やろうや幸村クン)
(はぁ?もう無理。俺初めてだったんだからね)
(良かったんやろ?なら問題あらへん)
(良いとは言ってないし、君から貰ってない言葉があるんだけど)
(あ…好きやで、幸村クン)









  あとがき

どうも管理人です
6月のお題小説3作目です

幸村が遊び人とはいかないまでも酷い人です。
悪気はないし、本音でもない
好きな人に無性に嫌いといいたくなったりしませんか?
まるで小学生みたいですけど。

白石がナチュラルに関東にいるのは気にしたら負けです

ノンケ受けってそういえば初めてな気がする
なんか愉しかった
もっと酷い感じのにすればよかったかな

甘甘な白幸もいいですがこんな白幸も好きです
ツンデレ風味な幸村とかどーです?(笑)





アンケート結果は以下の通りでした

1位:白幸
投票:1314票

コメントを下さった 愛歌様 ありがとうございました
そして投票してくださった全ての方々、本当にありがとうございました


それでは最後まで読んでくださりありがとうございました


※誤字・脱字・誤変換等ございましたらお手数ですがBBSまでお願いします。
 また、感想もお待ちしております。お気軽にどうぞ
 ※フリーリクエストも随時承っております。リクエストの際はこちらをご利用ください


追伸:UPに不具合があり、大変ご迷惑をおかけいたしましたご。申し訳ございません
   報告してくださった方ありがとうございます。

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