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お題小説
03:ココに居てといわれていられる?(リョ幸/フェラ)


「ッ!?すいませ…ッ」

無我夢中で走っていれば曲がり角でスーツ姿の男とぶつかって。
短く謝って何か言ってるのを背にまた走り出す
いつもはこれぐらい走ったぐらいじゃ息なんか切れないのに、どうしてだか呼吸が荒い

「どこって…?」

改めてメール画面を見る
それからキョロキョロと辺りを見回す

「ボウヤ」

ドキン。聞こえた声に全身が跳ねた

「良かった。間に合って」

「幸村さん…どうして」

「…それは、言えないな」

誰にも言っていなかった。この渡米は。
なのにどうして
幸村さんは言葉を濁すけれど、すぐに思い当たる人物が浮かぶ
溜息を吐いた。否それは多分安堵の息なのかもしれない
最後に、会えてよかった。なんて

「ふぅん。ねぇ、場所移ろ」

彼の手を引いて賑わう人の流れから外れる

「好きだよ」

「俺も」

そっと口付けを交わす
今の今までなかった淋しさがふいにこみ上げる
けれどもう、戻れない
永別じゃないから 大丈夫。きっとまたすぐに会える
どんなに言葉を思い浮かべたってこの熱が無くなるのが少し淋しい気がした

「ずるいね」

幸村さんが俺を抱きしめる
俺はその言葉の意味がわからなかった

「何が」

「俺に言わせる気?」

「…わかんない」

ふいに抱きしめる力が強くなって耳元で幸村さんが囁く
顰めたその声は震えてて、胸がカッと熱くなった
俺は殆ど無意識にその腕の中から抜け出して、驚愕を浮かべる手を引いた
そのまま近くの障害者用トイレに駆け込む

「ボウヤ…」

「ダメ?」

「いいよ。――君がこうしてなかったら、きっと、俺がしてた」

「そぅ」

熱を帯びた視線を絡ませて、近づく唇
絡み合う舌と舌
抱きしめあう手が服の中に入り込む
他の平に伝わる体温が心地いい
もっとこうしていたい。けれど、迫る時間
俺の焦りはそのまま聡い相手に伝わってて

「ボウヤ…もう、触って」

いつもと違う彼に心臓は早鐘を打つばかり
理由はなんとなく分かった

「好きっスよ。幸村さん」

壁に相手の背を押し付けてベルトに手をかける
俺より身長の高い幸村さんは俺の頭を抱いて小さく何か呟いた
その言葉は、聞こえないフリ

「ローション、俺のカバンのポケットに入ってるから...ッ」

「いらない」

「俺がいる…ッんぁ!」

すとんとズボンが落ちる
外気に晒された幸村さんの昂りを握りこんで扱く

「はぁッあ、ぼぅやぁぁッ」

「すごいね。もう大きくなった」

緩急をつけて竿を扱いて指の腹で赤く色付いた先頭を擦ってやれば零れる透明な蜜

「だ、って…ぇッ」

感情が欲望を糧に走り出す
もう、止まれない

「可愛いっスよ」

「んぁあッ!や、だめッ」

ぱくり。そのさくらんぼみたいに赤く色付いた先頭を口に含む
舌で形をなぞるように刺激してやればゆらり動く腰
まわされた手に力が篭って、深く深く俺は幸村さんを呑み込む
時折吸うようにしてやれば悲鳴染みた声が上がって
俺の欲望を更に加速させる

「あぁぁッだめ、ぁん!も、でちゃ…からぁァッ」

「いいよ出しても」

「ふぁぁ!そこぇッしゃべっんんぅぁッ!!!」

唇で雁首を強めに挟んで尖らせた舌で蜜を溢れさせる孔を抉じ開けるようにしてやれば腰がガクガク震えて
一際大きく脈打った幸村さん自身。

「あ、ぁぁあぁッ!!!」

ビクビクビクッ
全身を痙攣させて幸村さんが俺の咥内に白濁を吐き出す
それを飲み込みそうになりながら受け止める
表現しがたい味が咥内に広がる

「はぁ…ッはぁ、ぁ....ぁ..」

放心状態の幸村さんの腕をどかして、壁に胸を押し付けるように体を反転させる
細められた視線だけが俺を見てた

「んッ…」

「ふぁぁッ!!あぁッひぅ!ぁ、ぁぁ…ッ」

少し腰を突き出すような体制にさせ、臀部の肉を両手で割り開く
きゅう、と恥ずかしげに収縮した桃色の菊門を咥内の白濁でどろりと汚す
ぐにぐにと舌で入り口を解して侵入させる

「あぁッひ、ぁ…ぼ..やぁぁ」

「何、俺今忙しいんだけど」

「はぁ..んッあ、━━━━━ッ」

どくん。心臓が冷たく脈打った
彼の口から出たのは先程囁かれたのと同じ言葉
幸村さんの本心、なんだと思う

「ッもう、入れるよ」

理性がヴツンと嫌な音を立てて切れた
めちゃくちゃに壊したい衝動
熱っぽい視線が俺を見つめてた
少し脚を開かせてからはちきれんばかりに欲望を溜めた自身を一気に挿入した
喉を仰け反らせて喘ぐ幸村さんのうなじに噛み付いてより奥を目指す

「ぁぁあッひ、んんァ!!あぐ、ひ…ぅぁあッ!!」

「く…ッ..ふ」

「ぼぅやぁッひゃン!!!あ、ぁあッ」

幸村さんは泣いてた
だけど、俺にはかける言葉が無い
罪悪感はあれど俺は俺が悪いとは思っていない
彼もわかってるはずだ。だから、何も言わなかったのに
本心を知ってしまえば...

「ねぇッまた、試合しよーよ」

「ぁあッん。んッはぁぁ…あ、ぅ」

コクコクと何度も頷く彼
その腰を抱きしめると内部がきゅん、と収縮した

「次もッ俺が勝つけどね」

「ぁッ、ぅ、ぅう!!ぐ、ぅ…お、れがッ勝つ、よ…ッ」

「上等ッ」

ギラリ向けられた潤んだ目に灯った威圧感を孕んだ光
ぞくり。背が震えた
首の付け根に噛み付くようなキスをして紅のキズをつける。
所有印。
俺以外の誰にも渡しはしない

「ぁあぁッ!はぁ、も…イクぅ...ッあぁ、あ!りょ、まぁぁあッ」

名前を呼ばれて、ずくんと熱くなった下腹部。

「好きだよ。幸村さん。だから…」

待ってて?

「ひぁッぁあ!イクぅうッ、ひンぁぁ―――ッッ!!!!」

「っく…ぅ...」

ほぼ同時に白濁を吐き出して果てる
荒い呼吸を繰り返す
幸村さんがぼろぼろと涙を零しながら俺を見た

「行かないで...」

その言葉を聴いたのは、3回目だった

「それは、無理っスよ」

「ここにいて」

「幸村さん...ッ」

決心が揺らぎそうだ。
だから、会わないように黙って行こうとしたのに

「リョーマ」

不意に名前を呼ばれる。決心は、ぶれたまま
そんな心で抱きしめようとしたその手を、次の言葉が止める

「いってらっしゃい」

彼は微笑んだ




ココに居てといわれていられる?
(俺は悪くないから、謝らないけれど)
(どうしてかな、幸村さんの涙を見てたらやるせない気持ちになった)
(でも、ここに居られないから、言葉の謝罪なんて無意味だよね)









  あとがき

どうも管理人です
4月のお題3つ目です
5月です←


設定的には全国大会の3日後、リョーマが渡米する直前ですね
空港のつもりでした
荷物が最初からログアウトしてますが雰囲気的にみてくださればいいかと…

誰にも聞かれないから誰にも言わずに行こうとするリョーマ。
とかいいつつ本当は別れがちょっとつらい感じだと萌える
特に恋人とは。
それか渡米は変えられないから、情に流されないように…とかそういう理由でもいいかもしれない
まぁそれでも幸村は来ちゃった訳ですが。
因みにこのことを教えたのは手塚です

書いてて楽しかった




アンケート結果は以下の通りでした

5位:リョ幸
投票:30票

投票してくださった全ての方々、本当にありがとうございました


それでは最後まで読んでくださりありがとうございました


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