スキとキスは間反対さ
※ふいうちキッスの続編です
山下×山田←南
ベッドホンごと頭を固定されて散々キスされて。気づけばオレの手がミーくんの背中に!やっば!
「……山田」
「あ、」
慌ててパッと手を離したら、それにミーくんが反応した。体離して、黒い瞳がオレを見てくる。
それで初めて、ミーくんがオレより背高いことに気づいた。なんかちょっとでも見下ろされてるこの感じ、心臓がバクバクする。
「雰囲気に流されてみてよ」
「ミーくん……」
「なんだったらオレに酒飲まされて、わけわかんなかったことにしてもいい」
「ミーくん……?」
「今日は、帰してやらない」
そう言われて、頭にカッと血が登るみたいに、すげぇ恥ずかしさと興奮に襲われた。
噛みつかれるように唇を奪う強引さに、そのまま部屋のベッドまで押しやられて倒されたその力に、
「ミーくん、ちょ、っ、待って」
「無理」
「オレ、できないっ」
「聞こえない」
「ミーくん!」
かわいいとか、ヘタレとか。ミーくんに抱いてた印象が音を立てて崩れてく。そんな衝撃って、いわゆるギャップ萌えってやつっすか?
―――それに、奪われたのは唇だけじゃない。みるみるうちに服が剥ぎ取られてく。
素肌を這う手が、指が、意外にゴツゴツして男っぽいとか。それにちょっと喜んでキュンってなるとか!
ちょっと待って!?
オレ、リアルゲイみたい!!
なんて感想が一瞬頭に浮かんで、すぐ霧散した。
いつの間にか全裸で、足の間にはミーくんがいて。オレの両手はミーくんに片手でまとめられてて。
ああ、最悪だ。
胸が高鳴るなんて、
オレには、
―――――山下がいるのに
「ミーくん……、」
「恨んでもいーよ。っつうかワルモノはオレだし」
「はっ、痛ッ」
「……穴、ガチガチ。最近そんなヤッてないの?」
「ッ――」
「ああ、タツ、浮気でもしてんのか」
「…、るさい」
「なら尚更、山田が……太一がタツのために我慢する必要なんかねぇよ。今は黙って、オレに抱かれろ」
……ああ、最悪だ。
それから散々喘がされたオレは、朝方にようやく解放されて。朦朧とする意識の中で、ミーくんに言われた「好きだ」ってセリフに、尋常じゃなく心が揺れた。
オレは山下と付き合ってんのに。
なのに、
ミーくんに付き合えないってハッキリ言えない。
きっと人はこの関係を
―――浮気―――
そう、呼ぶんだろう。
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