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 ぼんやり、ただ、ぼんやりと見ていたテレビは、何も映していなかった。ーー違う。テレビは、何もオレに響くことなく、無駄な電気を消化して、無駄な活気を部屋に零していた。
 イレギュラーは予期していないからイレギュラーなんだ。つまりオレにとってのイレギュラーは、あのとき部屋のチャイムが鳴ったこと。
 部屋に明かりをつけて、テレビの電源をいれてなお、居留守をつかうようなコトができるほど図太い神経はもっていなくて。

 ハイ、と応えてドアを開けたオレと入れ違いに、「神様のおなーりー」とか言って部屋に侵入してきたあの男の存在こそ、オレにとってのイレギュラーだったんだ。




--------神様のエチュード







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