邪魔者 茶髪if「裏切り者」続編 南視点/一途?腹黒? なんでだよって、 最初は泣けた。 どんなに傍にいても、どんなに触れても、あいつはこの気持ちに気づこうともしなかったっていうのに。 なんで ただオレたちを見ていただけの野次馬のくせに、なんでオレからコイツを奪ったんだって、 自分の気持ちとか、これまでの努力とか全てが消えてなくなった気がして、ただただ弱虫みたいに泣いてた。 だけど、 ―――気づいたら笑ってた だってそうだろう? お前のことはなんだって知りたくて、情報を集めてみろ。 「一番はお前」なんて歯の浮くような戯れ言を一体何人に言ってたと思う? 気に入った女を片端から手をつける、ダメな男。 同性のオレからみても最低なやつなのに、それでも惹かれてしまうのは、だからそんなに女で遊べるんだろうな。 だから、付け込んだ そして、壊してやった 想い人にキスをされながら その首に腕をまわして、 抱きしめられた肩越しに見えた その表情は ――――--絶句 踵を返す背に、オレは嗤う ああ、なんて幸せ コイツをお前のモノにはさせない 例えコイツを独占できなくても 誰かにやるくらいなら 「邪魔者」-END- ★ ←→ |