許さない
茶髪短編 未来if
――もし山田が山下に愛想をつかして
勝手に部屋を出たら
ギリ、と歯をかみしめる。
鍵をあけてドアを開いた瞬間に感じた、違和感。
―――何かが違う、何が違う？
だから迷わずに開けた。
リビング側の個室のドア。
ギリ、と歯が鳴った。
その音が部屋にあった。
廊下から漏れる明かりでできたオレの影が部屋にいた。
だけど、
それしかなかった。
部屋には何もなかった。
ベッドも机も衣服も匂いも気配も山田も何も
部屋には何もなかった
ギリ、と歯がなる。
「ふざけんなよ……？」
出て行くなんて、許さない。
オレを捨てるなんて
いまさら離れるなんて
そんなこと、
オレはお前を 許 さ な い
浮気症山下×健気平凡山田
最近未来編ばっかり浮かぶ茶髪
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