黒髪男子の心情 1 ずーん。って感じ? いや、違うけど。まあ暇です。いやいや、本気で暇。 いつものようにここは山下の家でーすとかってなるかと思ったら大間違いで、今日はまさかのお外デート。 そろそろあったかくなってきたし、散歩とかよくね?って言ったオレに、めんどくさいぞっと笑ったのは山下です。 予想できた反応に思わず笑ったよね。言うよねーってやつ。山下はイラっとしたみたいだったけど。 「いーじゃん。たまには外出ようぜ?」 「だーかーら、めんどくせぇって。外なんか出たら日焼けしちゃーう」 そういってのらりくらりとオレをかわそうとするのって山下のよくない癖だと思うんですー。で、それに流されてかわされちゃうのがオレのダメなとこ。 だから今回は粘ってみたわけ。 「女みてぇなこと言ってんじゃねぇよ。お前どうやら引きこもりっぽいからお外出してやろうというオレのやさしさに気づけ!」 「んだよ、めんどくせぇな」 もしや皆さんも気づいてたかもしれないけどさ、山下って基本ひっきーじゃね?自分の部屋にこもってタバコすってPCと向き合ってんのばっかなんだよ、コイツ。 外出るのなんて大学かバイトか、とかそんくらいでさ。 カチッと音がしたと思えば香るいつもの煙のにおい。 「また吸ってんし。最近吸いすぎ」 「・・・はぁ」 イラっとするとすぐタバコ吸うんだコイツ。しかも最近本数多すぎ。オレも喫煙者だっつーのを棚に上げて、まじでちょっと控えるのをお勧めするくらい。灰皿代わりに使ってるビンももうあふれかえってるんだぜ? 「ダーヤマ今日めんどくさい」 なんて。珍しく山下の身を案じてやればコレだ。こいつオレのこと心底めんどくさいって顔しやがる。 「あー、もう、まじめんどくさい。行きゃ満足なわけ?じゃあもう外でもどこでも行こうぜ」 はぁってすっげぇでかいため息。で、手近にあったパーカーを羽織って、ケータイとサイフを部屋着なカーゴのぽっけに突っ込んで、玄関に向かっていく後ろ姿。 はぁっておい。ため息つきたいのはこっちだ。 っていうやり取りがあって、今は外に出ているんです。です、が。 「・・・・・」 無言。 っていうか、イラだち?腹立ち? 靴を履いてさっさと家を出た山下にあわててついてって、まさかオートロックなんていう素敵物件じゃない山下の部屋を渡されてる合鍵で施錠して。さっさとアパートを出て外の道を歩き始めてる山下を追う。 だがこれだ。 明らかに山下さん不機嫌なんですよね。 [*前へ][次へ#] [戻る] |