黒髪男子の心情 3 今はいいや。だって気づいてしまった。オレは山下を甘やかして愛したいけど、それ以上に甘やかされて愛されたい。 こんなこと考えてるとか、やばいめっちゃ恥ずかしいんだけど。 「たいちー」 「なに?」 「オレ今すごいムラムラしちゃってんだけど。論文やばいのに手止めさせて誘ったのはお前だぜ?」 わかってんだろ?ってそんな色気まみれにほほえまれたら、オレだってムラムラしちゃうじゃないですか。 肩に乗ってる山下に向き合うように体を横にしたら、山下がでこをひっつけてきた。かわいーなちくしょう!! 「たいち」 「ん」 「シよ」 「……お前はそーやって何人の女を落としてきたんだ」 「人聞き悪ィな」 ちゅっと瞼に落ちた唇に、ふっと口角があがる。ほらな。やっぱり、オレはこうやって甘やかしてもらいたがる。 「しゃーねーな。好きにしなさイ」 「今日はマグロ?」 「オレを放っといたのはお前なんだから、今日はたっぷりご奉仕してねん」 「ふっ、かわいこぶりやがって」 クスクス笑ってから、山下はオレにまたがった。見上げて、下からの角度にもばっちりイケメンな山下に手を伸ばす。この手を捕まえて、離すな。そんな風に心の中で笑う。 「たいち、」 「なに」 「すきだぜー?」 「ばーか」 ふってきたキスは唇で受け止めて。やっぱこれが一番落ち着くわ。 「やっぱりこれがスキ」-END- [*前へ] [戻る] |