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守るために/神威、銀魂



刀、それは獲物を斬るためのモノ。それが人間か、それ以外の者なのかは刀を持つ人によって変わる。



「鈴、お前は何のためにそれを握った」



いつか、随分昔にそうある人にそう聞かれたような気がした。その時は何て答えていいのか分からなかったから、何も答えれなかった。

でも、今なら答えれるような気がする。



「ねぇ、キミは何のために戦うんだい?」
「そうねぇ…。生きるため、かしら?」
「あはは、まともな答え」



そう言って、愛想笑いをするピンクの髪の少年を私は見つめるわけでもなく、月の灯りもない空を見上げる。
この吉原は闇だね。と心の奥底でそう思った。



「そんなまともな答えをする奴なんて鈴ぐらいだよ」
「そうかもね。他の奴等は…ただ、自分の中に飼ってる化物に快楽を与えるために戦ってるって言いそう」
「キミは他の、弱い奴等とは考え方も何もかもが違うから好きだよ」
「…」
「だから、俺の子をその体に…、ッ」



変なことを言い出した少年、神威に短剣を向けた。微かに首から赤い血が流れるのを見ながらただ一言“イヤだ”と私は言った。



「なーにやってんだい、そこのお二人さん」
「あれ、阿伏兎?」
「…」
「鈴、」



阿伏兎に名前を呼ばれ、神威に向けていた短剣を鞘におさめる。阿伏兎が深くため息をついてるのを見ながら、目線を下に送る。



「…」



そこには見慣れた人がいた。
昔の同士。自由人だけど凄腕の白夜叉と呼ばれた男。


あの質問、今ならきっと答えれる。
私はゆっくりと口を開いて、ある言葉を呟いた。




守るために
(鈴?どうしたんだい?なんか、面白いものでも見つけた?)(ないよ、そんなもの)(ふーん…)







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あきゅろす。
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