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疑惑浮上(4章) 


 四章 十八話 「騒動―仲良し」にて


カルロ「もっと派手なカツラにしたらどうですか?」

リセイ「影の人間が金髪や銀髪でどうする。目立つだろ」

カルロ「ですが……」

ダイス「そうですよカルロ殿。黒髪だって似合っているではありませんか」

リセイ「そうか……?」←内心照れ

ダイス「そうですとも。それよりも、黒髪だと夏は大変でしょう」

リセイ「ああ、よく蒸れる」

ダイス「でしょうね。熱が篭ってしまうので風通しの良い素材でなくてはなりませんし、日々つけるものですから毎日の手入れも欠かせませんよね」

リセイ「……ああ」

ダイス「風の強い日は表に出るのも躊躇われますし、リセイ殿の場合、戦闘中も気にしておかなければなりませんよね……お気持ちお察しします。今や鏡は必須でしょう?」

リセイ「いや、それは持っていない」

ダイス「――な!? なんと……!! さすがリセイ殿……帝国の軍総は心意気が違いますな」

リセイ「そこまで言う程の事では――」

ダイス「いいえ! しかしながら、なるべく危険な事は避けるべきでございます! (ゴソゴソ)……この鏡を差し上げましょう」

リセイ「…………」

ダイス「さあ! 遠慮なさらずに!」(←善意の眼差し)

リセイ「……ああ、ありがとう……」

ダイス「いえいえ。これで突風や未知との遭遇にもばっちり対応できますな!」

リセイ「……ああ」


++++++++++


コウ「あれ? 何その鏡。可愛いね」

リセイ「これは……先日ダイス殿にな」

コウ「へえー、こんな可愛いのダイスさんが持ってるなんて意外―。あ、すっごく使いこなしてるよ」

リセイ「……そうだな」

コウ「ダイスさんも髪型とか気にするのかな」

リセイ「……(彼が気にしているのは髪型というよりカ……)」

コウ「どうかした?」

リセイ「……いや、何でもない」(←何故か言えないヤツ)



 

 (注)ダイスの白髪は地毛です。


 [完]07.12.7




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あきゅろす。
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