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軍事機関2 御免です 
 軍事機関T/(U)/V/W


 ここはティレニア軍事機関。まだコウが軍人候補生として修行していたあの頃…。

「さて、今日はどこへ行こうかな」

 張り詰めた軍事機関に対し明らかに不釣合いな雰囲気を持つコウは、それを別段気にする事もなく堂々と廊下を歩く。いつの間にか来ていた場所は、先程から激しい爆発音が耐えない何やら危ない学科で……。

「ここは……あ、サラだ」

 こっそり教室を覗くと、大変広い大部屋に数十人の生徒がいて、どれも皆黒いローブを身に纏っていた。男女の割合はほぼ等しく、彼らの中で最も強気な少女が声を張り上げていた。

「ちょっと! そこはこう! 何回言っても分からないのね貴方は!」

「そんな事言ってもしょうがねぇだろ、俺らはもっとゆっくり……」

「それじゃあ練習相手にならなくてこっちが困るのよ! さっさとやる!」

 サラの標的にされた男子生徒は溜息混じりに返事をする。ああ、この光景、自分にも身に覚えがあるわ。

「っていうか、先生は何をやってるんだろう」

 さっきからサラの叱咤する声しか聞こえない。周りにいるのは生徒だけだし……そう思ってよくよく見ると、部屋の影で所在無さ気に立っている男性がいた。恐らく彼がこの学科の先生なのだろう。だが先生は見るからに気弱そうで、下手したら生徒の方が強いかもしれない。

「サラの気迫に勝てなかったのね。気の毒だわ」

 仮にも軍事機関の教官が、一介の生徒の言いなりなんて普通は在りえない。だがこの科ではそれも十分起こりうる様だ。

「サラは好きだけど、一緒に修行となると御免被るわね」

 そうして誰にも気付かれない様に扉を閉める。その直後で中から奇声が響いた気がするが、何も聞かなかった事にして私はそそくさと去った。

 はい勿論、魔導科却下ですね。



 [完]


 (C)りひと 2008-1-12


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あきゅろす。
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