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20話 港町リノア07


「コウ、そろそろ行こう。船に乗る前に必要なものは揃えなくてはならないからな」

 青年はマイペースなコウに呼びかける。コウは「はい」っと返事をし、セーレン・ハイルを手に取った。長めの布を被せ、それを腰に挿す。小さな体を隠すように、白いマントを羽織る。その端を胸の辺りでまとめ、止め具を付けて整えた。

「ルーン、入って」

 呼ばれて、小鳥はスッと籠に入る。フレアンは二人分の荷物を持ち、部屋を出た。コウ達もそれに続く。


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 コウと二匹は先に宿を出て、フレアンを待っていた。彼は今勘定をしている。

「(割勘するべきだよね。ここは)」

 フレアンが宿から出てきたので、さっそく提案する。が、あっさり断られた。

「必要ない」

 その一言です。そりゃフレアンさんにとってはちっちゃなお金かもしれないよ? でも、きっとこれが毎日続けば結構バカにならないと思うの。せめて少しくらいって思うのが普通でしょう。

「でも旅のお金って結構いると思うんです」

「資金は用意してある。君が気にすることはない」

「さいですか……」

 そうやって、いつもいっつも先回りしてるから、少し悔しいんだけど。彼の優しい顔が見れたから、まぁいいか。



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あきゅろす。
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