純情ロマンチカ小説
ロマンチックを求めて…7/23
それはある日のこと。新しい小説のネタを求めて某作家先生はインターネットのサイトを適当に検索していた。そしてあるサイトを見た時、コレだ!と閃いた。そして――
高橋美咲は困惑していた。
何故なら同居人の宇佐見秋彦大先生が日本語を話さないから。
「だ・か・ら、テメーは何が言いたいんだ」
「tesoro」
「日本語で話しやがれ!」
「やだ」
「ココは日本だ!日本に従え」
「それを言うなら"郷に入っては郷に従え"だ。ばか者」
呆れた様な溜め息を一つ。
そして一言。
「どれほど素晴らしい言葉でも、意味が通じなければ無意味か…」
秋彦の呟きに「だから日本語で話せ!」と声には出さずに突っ込む美咲に、意地の悪い微笑みを浮かべた秋彦は美咲の耳元へ口を近付けた。
「だから…――」
話し終えて美咲の顔を見つめれば、耳まで真っ赤に染まった顔が見つめている。
「どうした美咲?望み通り日本語で話してやったぞ?」
秋彦は笑顔で続ける。
「言われた事にはきちんと応えるのが礼儀だろう?返事はどうした?」
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――美咲が絶叫するまで後ちょっと(笑)
◆オマケ◆
「だから何故そこで喚く。空気の読めん奴だな。そこは両手を組んで潤んだ眼差しで『ウサギさん…好き』と言う所だろう。そして感極まった二人は捲るめく…」
「やめい何が『めくるめく』だテメーは俺に何をさせるつもりだっ」
怒りの余り秋彦の胸倉を掴み、怒鳴る美咲。秋彦はその態度を平然と受け止め、独自の解釈をした。
「そうかそうか。お前、それを期待しているのか」
「――は?」
「色気の欠片もないが、恥ずかしがり屋のお前にしては上出来だ。その期待には十二分に応えよう」
言うや否や、秋彦は美咲の体を肩に担ぎ上げた。
「滅多に無いお前からの積極的な誘い。飽くまで相手をしてやろう」
かくて寝室の扉は閉ざされ、その日は開かれる事が無かったと言う…。
2010-07-23up
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